海釣りを楽しむために、もっとも注意すべきは海難事故ですが、現実的にもっとも頻度が高い危険なことは毒のある魚に遭遇することです。
海釣りで釣れる魚の中には、毒の棘や毒針を持つものも多く、安易に素手で毒棘に触って刺されようものなら、ジンジンとした激痛が走るだけでなく、魚によっては最悪死に至るケースもあります。
また、食べると食中毒に見舞われたり、寄生虫に苦しめられたり、神経毒により死に至ることもある危険な生物などもたくさん存在しています。
海釣りの初心者さんにはあまり認識がないかもしれませんが、大人も子供も誰もが気軽に楽しめる堤防釣りにおいても、そういった毒のある魚は普通に釣れてきます。
少し怖がらせるような言い方をしましたが、毒のある魚を認識してキチンとした対応をすれば、実際には毒にやられるといったケースはほとんどありません。
海釣りに限らず自然の中でレジャーを楽しむには、無知である事が一番のリスクとも言えるでしょう。
ここでは、海釣りに伴う危険性に対して基本知識の習得しておくという意味で、堤防釣りで釣れてくる毒のある魚と対処法について紹介したいと思います。
海釣りで毒がある危険な魚 ~毒トゲや食中毒に注意~
『毒のある危険な魚』だけの括りで纏めると、その種類は驚くほどたくさんいます。
ただ、堤防釣りで日常的に遭遇するような魚にターゲットを絞ると、実はそれほど多くありません。
特に注意すべきは、釣れてすぐに危険な魚として認識しなければいけない毒の棘や毒針を持つ魚ですが、これは十分に覚えておける程度の種類です。
ここでは、この毒の棘を持つ魚に焦点を当てて紹介します。
堤防釣りで釣れる毒の棘を持つ魚
毒を持つ魚だけ釣れないような方法があれば一番良いのですが、残念ながらそれは一部の釣り方でしかありません。
特に堤防釣りでエサを使った釣りをする際、避けようのない対象魚がいくつかいます。
【ハオコゼ】や【アイゴ(バリコ)】は日常的に掛かり、【ゴンズイ】も夜釣りでは珍しくありません。
また、予期せぬ大物として【アカエイ】がヒットしたり、更に魚ではありませんが、投げ釣りなど底を釣る釣りでは【ウミケムシ】というゴカイの仲間が上がってくることもあります。
まずは、エサ釣りで出会う頻度が最も多い、ハオコゼから順に紹介していきましょう。
カサゴと間違いやすい危険な魚『ハオコゼ』
ハオコゼは堤防釣りや磯釣りで釣れることが多く、季節を問わずごくごく一般的に釣れる魚です。
浅場の岩礁帯に多い体長10cm程度までの小魚ですが、背ビレに毒の棘があり、刺されると激痛が走り、患部が腫れてジンジンと痛みます。
それほど強い毒ではなく、軽傷ですむ場合が多いですが、棘が深く刺さると痛みが増したり、長く痛む場合があります。
ハオコゼは岩場の上にちょこんと引っ付いているので、波止際の探り釣りや投げ釣りなどを中心に、海底を釣る釣りでよくヒットします。
干満などの時合に関係なく釣れてくる小魚ですが、どちらかというとメインターゲットの活性が低い釣れない時間帯によくヒットするという印象があります。
写真のハオコゼは、赤褐色のまだら模様でこれが典型的な体色ですが、保護色を持つので釣れる場所によって、白っぽい個体や黒っぽい個体もいます。
気を付ける必要があるのは、根魚(ロックフィッシュ)のカサゴと間違えてしまうことです。
同じようなポイントに棲息しているので、釣りをしていてオコゼが釣れてしまった場合です。
基本的にカサゴの方が一回り大きいので、大抵は一目で判別出来ますが、写真のように小さ目のものが釣れたり、周囲が暗い場合は用心して対処しましょう。
【対処法】
今この記事を読んでいる方は、既に現時点で毒のトゲに刺される危険性はグッと下がっていると思います。
それでも誤って刺してしまった場合、あるいは同行者が刺されることがあるかもしれません。
毒のトゲは刺された後の対処次第で痛みは軽減できますので、その対処方法を覚えておきましょう。
①毒の棘に刺された場合には、まず第一にすぐに患部から毒を絞り出します。
②そして次に、お風呂より少し高めの温度のお湯(50℃~60℃)で、数分間温めますが、決して無理して火傷しないで下さい。
ハオコゼの毒に限ったことではありませんが、以下で紹介する魚の刺し毒も含めて、ほとんどは熱に対する安定性が低いペプチドタンパクです。
温めることで毒の成分が分解し、活性を失うことで、毒に対する生体反応も止まります。
③温めたことで痛みが引いたら、今度は冷水で冷やして炎症を押さえます。
毒に対する生体反応には個人差がありますが、毒の棘にやられた後の応急措置は、早ければ早いほど効果があります。
釣行時にお湯を持参する人は少ない(管理人はよくカップ麺と合わせて持っていきます)ですが、季節次第で自販機でもホットドリンクが売っていると思うので、手であればお茶に浸けて温めても良いでしょう。
ちなみには冷やす時には、氷や保冷剤は持参しているケースも多いし、例え無くても流水で問題ないでしょう。
もし、何も対処しなければ、長く痛み続くこともあるので、そのような場合は面倒がらずに、キチンと病院で受診しましょう。
毒のある魚っぽく見た目も恐い『アイゴ(バリコ)』
毒のある魚は、見た目も毒々しいものが多いのですが、アイゴもその一つで、体色は茶褐色ベースに同じような褐色の横縞が数本伸びており、全身に白っぽい斑点があります。
アイゴは波止釣りや磯釣りで釣れる体長30cmほどの魚で、主に初夏から晩秋にかけて一般的な中層のウキ釣りで釣れる魚です。
小さいサイズ(幼魚)はバリコと呼びますが、バリコは初夏にファミリーフィッシングのサビキ釣りでもよく釣れる場所があります。
アイゴは釣りの対象魚としては引きも強く面白いのですが、背ビレ、腹ビレ、臀ビレ(しりビレ)に強烈な毒を持っていて、この毒棘に刺さると数時間はかなりの激痛が走ります。
ひどい場合は、数日間刺された箇所の痺れが続く場合もありますので、違和感が続くようなら医者に診てもらいましょう。
誤って毒の棘に刺さった場合の対処は、先に書いたハオコゼの時と同じように、すぐに患部から毒を絞り出し、お風呂より少し高めの温度のお湯(50℃~60℃)で温めれば痛みは軽減します。
アイゴの棘条は太いだけでなく、先がかなり鋭いため、軽く触れるだけでも刺さるので、かなりの要心が必要です。
アイゴを持ち帰る場合は、釣れたら真っ先にハサミを使って、上下のヒレを全て切り落としておきましょう。
なお、余談ですがアイゴは内臓部分を傷付けてしまうと強烈な生磯臭さが身に染み着きます。
魚挟みを使うときや、調理を行う際も内臓を傷付けないように注意しましょう。
処理をきちんと行えば、非常に引き締まった淡白な旨みのある魚で、皮や骨との分離も容易で食べやすい魚です。
夜釣りで釣れる危険な毒魚『ゴンズイ』
ゴンズイは夜行性の魚で、堤防で夜釣りを行うことが多い釣り人にはお馴染の魚です。
体長10cm~20cm程度の個体が多いですが、見た目通りにナマズ目の海水魚で、体色は黒あるいは茶色寄りの褐色ですが、似たような魚は他にいないので、一目で判別することが可能です。
ゴンズイは背ビレや胸ビレにそこそこ太い毒のある棘を持っており、これに刺さると幹部の激しい痛みが1日続くこともあります。
また、毒が血中を回ると、刺された箇所以外に肘や肩、関節の痛みなど全身症状に及ぶことがあり、吐き気や発熱、動悸や呼吸困難を伴う場合もありますので、症状が重く感じたらすぐに病院で受診しましょう。
応急処置の方法は上記同様、少し熱いくらいの温度のお湯で温めると痛みは軽減しますが、痛みが引いても油断せずにその後の経過には注視しましょう。
夜釣りでは中層から下層にかけてヒットしますが、ゴンズイは群れで行動することが多い魚なので、一度釣れると同じポイントで何度も掛かってくることがあります。
また、日中の釣りでもテトラポットの隙間や、岩場の影など光が届かない場所では、まれに釣れることがありますが、この場合も同じ場所から続けてヒットすることがあります。
実はゴンズイは食べて美味しい魚として知られており、毒のある背の棘と胸ビレを切除すれば簡単に持ち帰れるので、これを狙う釣り人もいるのですが、見た目も含めて釣りたくないのであれば、連続でヒットしたポイントは避けた方が無難でしょう。
因みに、追加でもう一点注意事項を上げておくと、地面に置いた時に側面が横向きになる魚と違って、ナマズ系統は腹が下になります。
毒魚の場合は手で掴めないので、よく魚を踏みつけて針を外す方がいますが、ゴンズイの背ビレにある毒の棘(毒針)は結構長いので、スポンジ底の靴やサンダルなどだと、踏んだ時に突き抜ける場合があります。
踏みつけて針を取るという行為は、魚が滑ったり、跳ねた拍子に足首に毒針が降れたりして結構危険な行為です。
小魚の場合はそれほど力を入れなくてもシッカリと固定できる魚挟みがあり、また針を掴むのもフィッシングプライヤーで行えば危険もありませんので、なるべくなら、このような製品を使って安全に対処することをおすすめします。
ここでは危険回避という目的での紹介になりましたが、魚挟みは海釣りでは欠かせない便利グッズです。
毒魚でなくとも、釣った魚には鋭い歯やヒレなどに棘もあり、安全に魚をキャッチするのに非常に役に立ちます。
手を汚すこともなくなれば、魚が釣れる度にいちいち手洗いする必要もなくなるというメリットもあります。
特に小さいお子さんが同行するファミリーフィッシングでは必須とも言える釣具ですので、所有していない方は購入を検討されてみてはいかがでしょうか。
Umibozu(ウミボウズ) フィッシングプライヤー 防錆 多機能 超軽量
こちらも海釣りでは欠かせない便利グッズの一つ、フィッシングプライヤーです。
先に紹介したハオコゼなど小さな魚が掛かった場合、釣り針を外そうにも毒の棘が近くにあり、結構恐い思いをします。
針が飲み込まれでもしようものなら苦戦必至ですが、フィッシングプライヤーがあれば、安心安全に対処できます。
上記は先端が先細で長めのタイプの製品になりますが、針外しに使う目的であれば、このようなタイプの製品がおすすめです。
釣りが大幅に楽になるので、フィッシングプライヤーを所有されていない方は、一度検討されてみてはいかがでしょうか。
思わぬ大物でも喜べない手放しでは『アカエイ』
長く堤防釣りをしていると、数匹のエイが波止際を優雅に回遊している所を目撃することがあります。
釣りを知らない方でもエイの存在は知っていると思いますが、この中でアカエイという魚種がおり、アカエイの長い尾には数cm~10cmほどの毒の棘があります。
また、アカエイの背中の正中線付近にも小さな棘が並んでいますが、こちらの棘には毒腺はありません。
アカエイは日本沿岸のどこにでもいるポピュラーな魚で、浅海の砂底や泥底に生息し、主に投げ釣りやルアーフィッシングで稀に釣れてきます。
体長は1m程度の魚(尾を含めれば最大2mに達するものもいる)で、体色は背面が赤褐色、腹面は白色になっています。
エイが掛かっても大型の場合は釣り糸が切れたり、ロッドが破損して逃してしまうケースが多いですが、サイズによっては取り込めてしまう場合もあります。
その場合でも単純に喜べないのは、アカエイは先に紹介した魚に比べ、命の危険を伴う最も危険な獲物の一つだからです。
アカエイの毒の棘は太くて高く、棘そのものが鋸歯状になっているため、一度刺されると抜き辛く、無理に抜こうとすると傷口を広げます。
先に紹介したものと違って、流血は避けられないという点でも重症度が変わります。
タンパク質性の毒で激痛に襲われるのは同じですが、その後は重症化するケースが多く、血圧低下や呼吸障害、発熱等の全身症状が出たり、アレルギー体質の人がアナフィラキシーショックで命を落とすという事故も起こっています。
応急処置として、まずは例え血が流れてもシッカリと毒を絞り出し、お湯がなければ水でも良いのでいち早く洗い流します。
対応方法は同じでも迅速な対処が肝心で、その後は重症度に関わらず、早急に病院で治療を受けるようにしましょう。
なお、アカエイに対しては、毒の棘に刺さった場合の対処よりも、誤って刺さってしまわない対処方法を、追加で示しておきたいと思います。
【アカエイが釣れた場合の対応】
- アカエイを釣った直後は、左右に尾を振って暴れるので、尻尾側には決して近づかないようにして下さい。
- 頭側に立ち、アカエイが落ち着くのを待ってから、余裕を持った位置でラインを切りましょう。
- 釣り針やルアーを回収する時は、目のすぐ横にある噴水孔に指を掛けて、アカエイの尻尾が真っ直ぐになるまで引っ張り、それからひっくり返します。
- アカエイは歯も頑丈なので、噛まれないように注意しながら、フィッシングプライヤーを使ってアカエイの口から取り外します。
棘は尻尾に沿って寝ているので、棘と尻尾を一緒に踏みつける方がいますが、一歩タイミングを間違えば刺さってしまう恐れもあるので、棘を踏み付けるのは止めておいた方が良いでしょう。
ただし、タモ網に入ったままで対処できる場合は、尻尾も振り回せませんので、どのような方法でも意外と簡単に危険なく対応可能です。
その他の毒の棘がある魚【ミノカサゴ、オニオコゼ、オニカサゴ】
堤防釣りで釣れることが多い毒の棘のある魚は上記の4種類ですが、その他にも船釣りが中心であったり、地域がある程度限定されている魚種も含めるともう少しいます。
頭の片隅に置いておく程度で、名前と写真を含めた簡単な紹介だけしておきましょう。
ミノカサゴにはたくさんの種類がいますが、一般的に良く遭遇するのは写真のような縦縞と大きなヒレを待つ派手な容姿をしています。
背ビレに強烈な毒棘を持ち、刺された場合は激痛を伴い患部が腫れるだけでなく、めまいや吐き気、呼吸困難などを起こすことがあります。
オニオコゼは見た目の悪さに反して、食用としては非常に美味しい魚で高級魚に部類されます。
見た目の体色は濃い褐色系が多く、体表はいぼ状・房状の突起が発達しており、口は上向きについています。
背ビレに毒の棘があり、刺されると患部は腫れあがり激しく痛みます。
イズカサゴとオニカサゴは実際には属性が違う魚ですが、非常に似ているので一緒に扱われることが多い魚です。
写真はイズカサゴで背ビレに毒の棘があり、刺されると激しく痛みます。
オニカサゴはもう少し濃い褐色をしていますが、背ビレ、腹ビレ、胸ビレに毒の棘があり、コチラも刺されるとかなりの時間激痛が続きます。
いずれも高級魚に部類される魚で、調理する際はヒレの棘は切り落としてから行う方が安全です。
毒の棘を持つ海洋生物【ウミケムシ、ガンガゼ、オニヒトデ】
魚類ではありませんが、同じように毒の棘を持つ海用生物の紹介も行っておきます。
釣り人がよく遭遇する海洋生物としては、投げ釣りで釣れる嫌われ者のウミケムシがその代表になります。
ウミケムシは体長10cm程度までのゴカイと同じ多毛類の総称で、写真で見た通り身体の側面が剛毛で覆われています。
釣り上げると毛を逆立った状態で、うっかり手で触るとたくさんの毛が刺さる羽目になります。
この毛には毒腺があるため、激しい痛みや痒みが出て、幹部が赤く腫れるような症状が出ます。
毛を抜いた後は流水で洗い流しますが、患部に毒が残りやすいので、痛みや痒みが長く続くことがあります。
釣り針に掛かってくることはほぼありませんが、海水浴やダイビングで気をつけたい海洋生物についても、ついでに紹介しておきましょう。
単なるリスク要因を考えると、危険な生物はたくさんいますが、毒の棘を持つ生物を2種類挙げておきます。
ガンガゼはウニの一種で、イシダイの釣りで多用されるエサです。
一般的なムラサキウニやバフンウニなどは、例え手の平に乗せて多少押しつけても簡単には刺さりません。
ところが、ガンガゼの細長い棘は非常に鋭く、簡単に皮膚に突き刺さり、しかも表面には逆刺があります。
ウニの棘は非常にもろく折れやすいので、皮膚内部で折れて残ってしまうことが多く、棘には毒があるのでひどく痛みます。
キレイに棘が抜けきらなかった場合は、医療機関を受診する必要があります。
オニヒトデはサンゴ礁に生息するヒトデで、大発生してサンゴを食い散らかすので、サンゴ礁環境の保全上は有害生物とされています。
オニヒトデの体表面は多数の毒の棘で覆われており、これが人の皮膚に刺さると毒素によって激しい痛みに襲われます。
人によってはアナフィラキシーショックを起こし重症に陥ることがあり、最悪の場合は死に至ることもあります。
刺された場合は、なるべく早く毒を吸い出して、患部を温めましょう。
毒の棘を持つ魚が釣れた場合の扱い方
海釣りをする以上、毒の棘を持つ魚に遭遇することは避けられませんが、正しい知識をもって対処すれば、必要以上に恐れることはありません。
まず第一に、毒を持つ魚であるという事を認識することが最重要で、これが出来ればまず誤って刺される可能性はずいぶん下がります。
そして次に、釣れた後の対処方法を知っておき、キチンとした対応すれば、まず刺されることはありません。
最後に、毒のある魚への対処について、纏めておきましょう。
毒の棘を持つ魚が釣れたら一旦地面に置く
釣り上げてきた時に、毒のある魚だと認識したら、手もとに引き寄せる前に周囲を確認します。
釣り糸に吊り下げられた状態は非常に不安定で、周囲の人にとっても非常に危険です。
管理人は以前、ハオコゼが掛かって釣竿を立て、釣り糸を掴みにいったときに風が吹き、掴み損ねて太ももに毒棘が刺さったことがあります。
毒の魚が釣れたら、周囲の状況を見ながら、まずは一旦地面におきましょう。
毒の棘を持つ魚は素手で触らない
これは当然のことですが、毒の棘を持つ魚が釣れた場合、素手で魚をつかんではいけません。
誤って毒針に刺さる事故が起きるのに、最も多いケースは釣った魚を針から外す時です。
釣った魚は暴れるので、素手で触るのは自殺行為です。
すでに紹介しましたが、魚バサミで魚をシッカリと挟みこんで固定し、フィッシングプライヤー等の道具を用いて針を外しましょう。
第一精工のガーグリップは、交互の歯並びで暴れる獲物も逃さずにガッチリとホールドできるペンチタイプの魚挟みです。
先端部は獲物の下顎を挟める形状になっており、吊り下げ状態でのホールドも可能で、非常に人気の高いおすすめ製品です。
ホルスターはハンガーでバッグやゲームベスト、タックルキャリアー、バッカンの枠等に装着可能で、ガーグリップを取り出すだけで先端が開き獲物を瞬時に捉えます。
ガーグリップとホルスターは全長最大120cmのセーフティロープで接続されており、不意に落として紛失することもないので安心です。
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毒の棘がある魚を足で踏むのは危険
毒魚と認識したら、足で踏んで針を外す釣り人は多いと思いますが、記事中で紹介した通り、これは結構危険な場合があります。
まず、裏地が薄くスポンジ系統の靴などの場合は、毒棘が突き抜けて刺さるケースがあります。
踏み損ねて魚が暴れたり、滑って釣り糸を持つ手の方へ勢いよく飛んでくる場合もあります。
また、ハオコゼのような小さい魚だと、足で踏むことで危険部位が隠れて見えない状態になりますが、この状態で作業をする場合は、絶対に手を近づけず、プライヤーを使いましょう。
服装次第でリスクは軽減する
これは、釣行時の基本になるのですが、暑い時期であっても、基本的には長袖、長ズボンの着用がおすすめです。
万一身体のどこかに毒の棘が触れても、露出の少ない服装であれば、刺さらずに済むでしょう。
服装は釣行における様々なリスクに対して、大幅に軽減してくれる役割をもつ重要な要素です。
毒の棘を持つ魚はその辺に放置しない
釣れた後の魚の処理で、持ち帰らない魚だからといって、波止や砂浜の上に放置したままにする人がいます。
毒を持つ魚の場合、これは非常に危険な行為で、ここで紹介した生物たちは死んだ後でも、その毒の効力は残ります。
万一、子供が放置された魚を触れば、誤って毒棘に刺さるといった事故が起こるかもしれません。
そもそも釣った魚の放置は悪臭発生の原因にもなり、釣り場環境を悪くするだけでなく、周辺住民への迷惑行為にもなります。
これは釣りのマナーの一つですが、持ち帰らない魚であれば、魚は海に返してやりましょう。
それでも、毒の棘に刺されたら・・・
用心に用心を重ねても、初心者であるために誤って毒の棘に刺さってしまうこともあるでしょう。
また、いくら知識を持っても、やはり不安が拭えないという人もいるかもしれません。
刺された場合の対処方法は紹介しましたが、お湯で温めるというのは、お湯さえ持ち込んでいれば患部を浸けるだけなので問題ありません。
ただ、毒を絞り出す、吸い出すといった行為は、上手くできるのか不安要素になるのかもしれません。
その場合は、以下のような製品も販売されています。
ポイズンリムーバーは、屋外での作業や山のレジャーをする人、ダイバーなどが所有する、吸引タイプの応急用毒吸取り器です。
スズメバチやブヨ、ムカデなどの毒虫、毒蛇などに刺されたり、咬まれた場合に体内から毒を吸い出す器具ですが、釣りで毒の棘に刺さった場合でも同じように使えます。
簡単な操作で強力に毒を吸引し傷口から抽出するよう設計されているので、指で絞り出したり口で吸い出すよりは毒を排除しやすいと思います。
子供連れのファミリーフィッシングなど、どうしても心配が残るような方は、高価な製品でもないので、安心を買うという意味で用意するのも良いでしょう。
以上で、堤防釣りで主に釣れる毒の棘を持つ魚の種類と対応方法の紹介を終わります。
長く釣りをしていると、毒の棘に刺さった経験があるという釣り人は結構な数になると思います。
重症化しないとしても、毒の棘にやられると楽しい釣行が、一転してブルーな気分になります。
場合によっては後遺症が残る大きな事故になる恐れもあるので、最低限の知識は身に付けておきましょう。