海釣りを楽しむ釣り人にとって、魅力ある人気のターゲットの一つに【スズキ(通称:シーバス)】がいます。
どこにでもある河口や港湾内の護岸・波止で釣れる魚として、シーバスは最も手軽に狙える大物の対象魚と言え、強烈な引きや豪快なジャンプなど、そのやりとり(ファイト)に嵌る人は少なくありません。
シーバスフィッシングを楽しむ大半の方はルアーマンですが、もともと淡水のブラックバス釣りから、その延長として海水のシーバス釣りへ転向される方も多くいます。
もちろん、スズキはエサ釣りでも普通に釣れるターゲットなので、生きエサを使ってこれをメインに狙う釣り人もたくさんいます。
シーバスフィッシングが人気の理由は、概ね以下のような魅力がある点でしょうか。
シーバス釣りが人気の理由
- 汎用タックルで手軽に始められる
- ファイトとランディングが楽しい
- 大物の釣果が得られる
- ゲーム性が高く攻略し甲斐がある
- 都市部近郊で良く釣れる
- シーズンを問わず周年楽しめる
海釣りの釣魚としてのシーバスは、都市部近郊でシーズンを問わず狙えるという非常に大きなメリットを持ちますが、その反面、時期によってメインフィールドが変わる魚ゆえに、釣り難しさも併せ持つ対象魚です。
特にルアーで安定して釣果を上げるには、それなりの知識と経験に裏打ちされたフィールドを読む力が求められます。
海釣りでは特別な知識や技術は必要なく、初心者でも釣果を得やすいターゲットが多くいますが、シーバス(スズキ)の場合はそうはいきません。
釣れる時期や時間、釣り場を理解していなければ釣果を得るのは難しく、ボウズをくらう釣り人の方が多いのがこの釣りです。
ここでは、シーバスの特徴と習性について簡単に紹介した後、シーバス釣りに適した時期、時間帯、そしてシーバスが釣れる場所(フィールドやポイント)について纏めます。
【スズキ(シーバス)】特徴と習性 ~釣れる時期・釣れる時間帯・釣れる場所~
ここでは、シーバス(スズキ)を釣るために押さえておきたい基本知識として、以下の4点について紹介します。
シーバス釣りに関する基本知識
- シーバスの特徴と習性
- シーバスの釣り場とポイント
- シーバスが釣れる時期(シーズン)
- シーバスが釣れる時間帯
まず始めに、シーバスという魚の特徴と習性について紹介します。
その後、シーバスの習性を踏まえた上で、シーバスを釣るために関係が深い、シーバスが釣れる場所、釣れる時期、そして釣れる時間帯について確認してみましょう。
シーバスが釣れる釣り場・時期・時間は、それぞれが密接に関わり合い、例えば、時期が異なれば釣れる場所や時間も変わってきます。
本記事をご覧になる方の釣行時の参考となるように、出来るだけ具体的なケースに分けて紹介しようと思います。
なお、これに合わせて、様々なシーバスの釣り方の種類についても紹介したいところですが、記事が長くなりすぎるので、これらについては別途、釣り方の種類をまとめた記事にて紹介します。
シーバス(スズキ)の特徴
スズキは、スズキ目・スズキ亜目・スズキ科に属する魚で、シーバスと呼ばれる名前の由来は、ヨーロッパスズキの英名である「European seabass」から来ています。
シーバスにはマルスズキ、ヒラスズキ、タイリクスズキの3種類がいますが、これらをまとめてスズキやシーバスと総称して呼びます。
この中で最もポピュラーなものはマルスズキで、一般的に堤防釣りで狙われるシーバスフィッシングの対象魚といえばこのマルスズキになります。
よって、以下に記載するスズキやシーバスの文言は、マルスズキを指しているものとご理解ください。
シーバス(以下、マルスズキを指す)の見た目は、体型は丸みを帯びた細長で、口は非常に大きく、下あごが上あごより前に出ているのが特徴です。
体色は釣れる場所で多少変わりますが、背ビレ付近が緑黒色で背側から側面腹側にかけて金緑色が徐々に薄くなり、側面中程から腹部にかけては銀白色となっています。
尾ビレは中央付近に窪みがあり、全体的に丸みを帯びていることからハート型に見えます。
シーバスの全長は最大で1mを超えてくる魚で、堤防釣りの対象魚としては最も大きな部類に属しますが、シーバスはサイズとともに呼び名が変わる出世魚です。
最もメジャーな呼ばれ方として、1年ものや2年もので全長 20-30cm 程度までのものを「セイゴ」、2年~4年目程度で全長 40-60cm 程度までのものを「ハネ(関東ではフッコ)」、60cm以上の大きさで通常4年~5年目以降の成熟魚を「スズキ」と呼んでいます。
シーバスは日本国内では、北海道南部から九州までの沿岸部に分布しており、時期によって沖目の湾口部から港湾内、河口や河川など居場所を変える回遊魚です。
食性は肉食性であることからフィッシュイーターの部類で、小魚や甲殻類、時期によってはゴカイ類などを捕食しており、ルアーフィッシングでの攻略パターンはマッチザベイトとなります。
シーバス(スズキ)の習性
シーバスの釣果を得る上で、最も需要なポイントの一つは、その生息場所を掴むことです。
シーバスは汽水域を好む魚で、一般的には都市部の河口付近や港湾内で狙われることが多いターゲットですが、海水温の変化や産卵、ベイトの移動などに伴い生息場所を変える魚です。
また、淡水域でも普通に生きられるシーバスは、何十キロメートルも河川を遡ることも珍しくありません。
それゆえフィールドの選択は重要で、極端なことを言えば、真夏の暑い時期に水深のない港湾内で狙っても、アタリもなくボウズ必至ということになります。
時期に合わせた釣り場選びについては、次項の【シーバスが釣れる釣り場とポイント】でいくつかのケースに分けて詳しく紹介します。
シーバスの産卵は11月から翌年2月頃の真冬に沖の深場で行われます。
そのため産卵時期が近づくにつれ、良型のシーバスほど沖目の深場へと移動し始めるため、真冬には釣れても30cm前後のセイゴクラスが多くなります。
シーバスは周年釣れる魚と言われていますが、サイズを釣果に考慮すれば、この時期のシーバスは釣りにくいということになります。
次にシーバスの食性ですが、基本的にはイワシやイナッコ、サヨリやアユなどの小魚が中心のフィッシュイーターで、他にもエビやカニなどの甲殻類、イカやタコなどの軟体動物、更にゴカイ類などと様々な動物を食べます。
動かないものにはほとんど興味を示さないので、ルアーフィッシングの対象魚としては良いのですが、エサ釣りを行う場合は生きエサでないと釣るのが難しい魚です。
因みに、シーバスはエサを吸い込んで丸呑みしますが、活きエビを使ったエビ撒き釣りなどの場合は、かなり渋ってなかなか食い込まないというケースは珍しくありません。
シーバスは日中でも夜間でも釣れる魚ですが、日中は主に沈み根やテトラ、橋脚などといったストラクチャーの影に潜んでいます。
自分から明るみに出てくることはなく、日中は警戒心も上がっているので、基本的には夜間の方が釣りやすい対象魚です。
もう一点、シーバスには回遊型と居着き型がいますが、基本的にポイントに居着いているタイプはルアーに擦れていることが多く難易度は高めとなります。
基本的にはベイトフィッシュの動きによって移動する回遊型を狙う方が、効率よく釣果を得ることができるでしょう。
ただし、いずれにしても時期や時間帯、潮まわりなどを考慮しながらランガン(ラン&ガン)し、シーバスのポイントを掴むことが釣果を得るためには必要です。
それではシーバスの習性のうち、釣果に影響を及ぼす点を、より詳細に見ていきましょう。
シーバス(スズキ)が釣れる釣り場とポイント
前項で記載したように、シーバスにはベイトが豊富で居心地の良い場所に定着する居着き型と、時期や時間帯、潮まわりやベイトの動きなどに合わせて居場所を変える回遊型がいます。
居着き型は桟橋や橋脚、停泊中の大型船、そしてケーソンのスリットやテトラポッドなどのストラクチャによって出来るシェード(影)に身を潜めています。
エサ釣りであれば上手く誘い出して日中でも釣れるのですが、ルアーでは他に釣り人がいる状況で釣るのは困難です。
変わって回遊型は朝夕のマズメ時を中心として、ベイトが集まりやすい所へ回遊してきますので、夜間なら常夜灯付近も好ポイントになります。
シーズンによって回遊する場所が変わるシーバスですが、シーバスが釣れる釣り場というのは概ね以下のような条件を備えています。
シーバスが釣れる釣り場
- 河川や河口などの汽水域
- 水質に濁りの入る釣り場
- エサとなる小魚が多い釣り場
- 潮通しの良さや潮当たりのある釣り場
- ストラクチャとシェードがある釣り場
- 釣り人が少ない釣り場
シーバスにとって濁りとは、外敵やベイト(エサとなる小魚)から自分の姿を隠してくれるありがたい存在です。
シーバスは元々警戒心が強い魚ですが、濁りが入れば警戒心も和らぎ、日中でも行動範囲を広げて捕食活動を行います。
日中、潮が澄んでいるときにはまず入って来ないような浅い場所でも、濁りがあるときはシャローに寄ってくることは珍しくありません。
そのため、真冬の時期に見られるような潮が澄みきった状況よりも、例えば雨が降った後の汽水域の河口周辺や河川のような濁りの入った状況のほうがシーバスは釣れやすい傾向にあります。
シーズンによってシーバスの釣れる場所は変わると言いましたが、それでは大きく時期を分けて、月ごとにどのようなフィールドがお勧めなのか、簡単にその理由も合わせて示しておきましょう。
【春シーズン(3月、4月、5月)】
海水温の関係で言えば、2月~3月が最も水温が下がる時期です。
春シーズン序盤の3月、シーバスは水温の安定した沖の深場にいますが、同時に産卵を終えたシーバスが沖の深場から沿岸に戻ってくる時期です。
メインフィールドは沖目や河口で、特に深さのあるポイントを狙うのが常套ですが、それ以外では、温排水が流れ込む場所や太陽が長くあたる場所など、水温の上がりやすいエリアに絞りましょう。
3月は河口での釣りが主体でしたが、4月に入ってマイクロベイトが湧き始めると、ベイエリアでの釣果も十分に期待できるようになります。
まだ小魚を追いまわすだけの体力や活性は無いので、港湾内で釣るのであれば基本的にルアーならバチパターン、エサ釣りならエビ撒き釣りが最適です。
5月はシーバスの体力が十分に回復し、昼間でもベイトを追うベストシーズンですが、その代わりに釣れるフィールドは散り始めます。
稚鮎などが河川を上がり、水深のある河川ではこれを追って遡上するシーバスが出てくるためです。
この時期のシーバスは高活性ですが、河口、港湾部だけでなく河川も含め、実績の高いポイントとフィールドを読む力が必要です。
なお、ベイトとの関係で言えば、3月はバチ抜け(ゴカイ類の産卵)が本格化する時期で、産卵後で遊泳力の下がったシーバスは体力回復をはかり、このバチを狙ってきます。
バチ抜けは6月頃まで続きますが、春シーズンを通してバチが湧きやすいポイントを狙うバチパターンは、この時期のシーズナルパターンと言えます。
【夏シーズン(6月、7月、8月)】
初夏の6月でバチパターンも終了となり、気温や水温も上がってくることから、シーバスは河川に入っていく傾向がより強くなります。
バチ以外のマイクロベイトが多い6月のこの時期は、河口、港湾部、運河、河川のいずれのポイントでも釣果は期待できます。
エサ釣りを行う釣り人にとっては、バチ抜けの終了でエビへの反応が戻り、港湾部1本でも日中の釣果が最も出やすい良い時期です。
7月のシーバスは、更なる水温の上昇とベイトが豊富に回遊している状況から、高活性状態が続きます。
回遊頻度が上がるだけでなく、ストラクチャのあるフィールドにも居着きやすくなります。
ただし、都市部の港湾部の湾奥などでは温度が上がり過ぎる日も増えることから、赤潮(夜には夜光虫)の発生頻度も増え、最悪の場合は青潮の発生もすることから、こうなると釣果は期待できません。
潮通しがよく新鮮な水が流入する湾口部や、ある程度水深のある河口から更に水温の下がる河川を積極的に狙っていく時期となります。
8月はイワシ、サッパ、イナッコ、サヨリ、ハゼ、稚鮎など非常に豊富なベイトが湧く時期ですが、1箇所に居着く時間は短くなります。
水温の安定を求めて頻繁には移動するようになるので、8月は水温が上がり過ぎず酸素量が保たれる河川をメインフィールドと考えておけば良いでしょう。
【秋シーズン(9月、10月、11月)】
8月は水温の安定を求めて頻繁に移動し河川を遡上することも多かったシーバスですが、9月になると暑さも和らぎ再び河口がメインフィールドになってきます。
港湾内では時間を問わずセイゴの釣果が多かった夏場ですが、再びナイトフィッシングが中心となり、9月後半になれば港湾内でも良型のシーバスが出始めるようになります。
そして本格的な秋の到来が感じられる10月になると、シーバスは越冬や産卵に備え体力をつけるために荒食いをするようになります。
10月に入るとメインフィールは河口とベイエリアに戻り、サーフでもベイト次第で釣果が期待できるようになります。
10月のシーバスは初冬からの産卵を控え、荒食いモードが発生しやすい時期で、狙ったフィールドがうまく合えば、数・サイズともに十分な釣果が期待できます。
また、10月は台風の時期ということもあり、台風の到来タイミングでは一時的に全く釣れなくなったりもしますが、シーバスは増水や濁りの発生でも活性が上がる数少ない魚で、台風後には爆釣することが珍しくありません。
11月は10月に続き河口やベイエリア、運河などがメインフィールドとなります。
ただし、11月も後半の晩秋に入ると、シーバスの群れが徐々に沖へと移動してしまい、オカッパリでの釣果は一気に下がります。
後半になるほど、なるべく水温変化の少ない水深のある釣り場を選択する方が良いでしょう。
【冬シーズン(12月、1月、2月):シーズンオフ】
当サイトは堤防釣りサイトなので、堤防釣りのケースで紹介していますが、そうなると陸っぱりのシーバスにとって、冬シーズンの中でも1月と2月は基本的にはシーズンオフです。
ただし、シーバスは海釣りでは周年釣れる魚の代表格であり、まったく釣れないということはないので、この時期のシーバスの釣れる場所も一応紹介しておきます。
12月のシーバスは、産卵前の大型の個体が釣れることもあり、これらはコノシロやサヨリなどのベイトが集まる河口に集まる傾向があります。
港湾部でも釣れるのですが、その大半は産卵に関与しない30cmまでのセイゴクラスであり、ルアーの対象としては役不足となります。
1月はシーバスの産卵時期の中心にあたり、港湾部でもセイゴは問題なく釣れますが、サイズのある良型の釣果は期待薄です。
この時期に出掛けるのであれば、温排水が流れ込む水温が高いポイントや、水温が安定している沖の深場、水深のある沖向きの堤防などにポイントを絞る必要があります。
2月の厳冬期は、更に釣り難しくなるでしょう。
表層の海水は冷え、浅場にはベイトとなる魚も少なく、また水温が下がるとプランクトンの活動が鈍くなり、海水の透明度が高まります。
この時期にシーバスが狙える場所は、1月同様、河口周辺や沖目の水深のあるエリアと考えておきましょう。
シーバス(スズキ)がよく釣れる時期(シーズン)
どのような魚でも、時期(シーズン)は地域によって多少ズレが生じます。
周年釣れる代表魚となるシーバスでも、水温の違いによって産卵期のズレも発生し、ベイトの湧き方にも差が出ますので、多少の釣期の差は生じますが、それほど大きな差はないと思います。
一応管理人が住む関西地方を中心としたシーズンの紹介になりますので、その点はご認識下さい。
良く釣れるシーズンだけ紹介するのが分かりやすいと思いますが、シーバスは周年狙える魚でシーズン外に釣行に出る方もいるので、ここでは月毎の評価として記載しておきましょう。
1月【✕】
1月はシーバスフィッシングはシーズンオフです。大型の個体は産卵で沖に出ており、産卵に関与しない個体か、セイゴクラスは釣果も期待できますが、決して数は出ないでしょう。
2月【✕】
1月に引き続き2月もシーズンオフです。シーバスのエサとなるベイトはほとんど存在せず、水質が澄み渡るこの時期は、最もシーバスを釣るのが難しい時期となります。
3月【△】
3月前半は産卵を終えたシーバスが沖の深場から沿岸に戻り始める時期でまだ釣果を出すのは難しいですが、後半になればバチ抜けの本格化と合わせて釣果が期待できるようになります。
4月【〇】
4月に入るとイソメやゴカイ類のバチ抜けと、ハクやシラスを含めたマイクロベイトが同時に発生する時期です。マッチザベイトでうまくベイトを見抜けば爆釣もあり得ます。
5月【◎】
十分に体力が回復したシーバスは、5月に入ると昼間でも活発にベイトを追って回遊するようになります。フィールドは河口、運河、港湾部、河川と拡がり始めますが、最も釣果が期待できる時期となります。
6月【◎】
初夏の6月はバチパターンが終了しますが、バチ以外のマイクロベイトが多く5月に続き高活性です。ルアーは河口、港湾部、運河、河川のいずれのポイントでも釣果は期待でき、エサ釣りは港湾部でのエビ撒き釣りでハネクラスのツ抜けが期待できます。ただし、水温の上昇とともに活性が高くなる反面、フィールドが絞りにくくなり始める頃合いです。
7月【〇】
7月は梅雨の影響で濁りも入りやすく、引き続きシーバスの活性は高く、積極的にベイトを追います。ただし、7月も後半になればなるほど、フィールドは変わるのでルアーでの数釣りは難しくなります。
8月【△】
8月のシーバスは少し釣り難しくなります。1箇所に居着く時間は短くなり、水温の安定を求めて頻繁には移動するようになるので、フィールドを掴むことが何より重要です。1箇所で粘っても釣果は出ないと思うので、ダメだと思ったら積極的にランガンする方が良いでしょう。
9月【△】
夏場は港湾内では時間を問わずセイゴの釣果が多くなりますが、9月に入ると再びナイトフィッシングが中心となり、良型のシーバスも出始めるようになります。ただし、まだまだ水温は高く、9月の中旬頃までは釣り難しい時期が続きます。
10月【◎】
夏の影響が残りやすい9月から10月に入ってくると、シーバスは初冬からの産卵を控え、荒食いモードが発生しやすい時期で、数・サイズともに十分な釣果が期待できます。まだまだベイトも多いことから、ボイルが発生するケースも多くなるので、表層を意識して活性の上がったシーバスを狙い打てます。春時期と合わせて、初心者でも釣果が得やすいベストシーズンと言えるでしょう。
11月【〇】
11月の前半は10月に引き続き活性の高い時期が続き釣果は大いに期待できます。ただし、11月後半の晩秋に入ってくると、シーバスの群れが徐々に沖の深場へと移動してしまいます。秋のベストシーズンは意外と短く、シーバスの群れが産卵や越冬のために深場へと落ちると一気に釣果は落ちます。
12月【△】
12月のシーバスは、産卵前の大型の個体が釣れることもありますが、釣果の中心は産卵に関与しないセイゴクラスが中心となります。
シーバス(スズキ)が狙える時間帯(タイミング)
シーバスを狙うルアーマンは朝夕のマズメ時を含めた夜間、スズキをエサ釣りで狙う釣り人は朝夕を含めた日中の釣りを行うことが多いでしょう。
シーバスは居着きのものを除けば、潮まわりとベイトの動きに合わせて回遊するので、エサとなるアミや小魚、バチなどが存在すれば、日中と夜間を問わずに釣ることが出来ます。
シーバスが釣れる時間帯は、先に紹介した釣れる場所やポイント、活性が高い時期、釣り方などと関与し、ただ単純に何時~何時のあいだといったようには示せません。
ここでは、朝夕のマズメ時、日中、夜間に釣りをするのに、どのような付加条件があればおすすめなのかについて紹介しておきましょう。
【朝マズメ時】
シーバスは警戒心が高い魚ですが、朝マズメ時はまだ薄暗く比較的釣りやすい時間帯です。
ルアーフィッシングとエサ釣り、そしてフィールド、またシーズンを問わずシーバスの活性が上がる良い時間帯だと言えます。
多くの時期ではこの時間帯にベイトの回遊も発生し、ベイトの動向に合わせてシーバスの回遊も発生します。
大半の魚種にとって朝マズメは時合となりますが、シーバスもまた例に漏れず活性が高くなる時間帯と考えておきましょう。
朝マズメと夕マズメの優劣について良く意見が分かれますが、これは時期と釣り場、ベイトの発生によって判断するのが良いでしょう。
例えば、気温の高くなる梅雨時期以降から秋口までのシャローなら、水温が上がる前の朝マズメの方が有利なケースが多いでしょう。
また、ルアーをする人で1時間~2時間の短時間釣行であれば朝マズメ時に狙いを定める、もう少し長く粘るつもりであれば、その後夜間に入る夕マズメに狙いを定めるといった選択方法も良いでしょう。
因みに、朝マズメの時間帯は当然時期によって変わりますが、各地域の日の出時間の30分間前から日の出後1.5時間ほどと考えておけば良いでしょう。
日の出・日の入り時間は以下のようなサイトから調べられます。
【日中】
どちらかといえば夜行性に近いシーバスは、デイゲームでは釣り辛いというのがルアーマンの印象でしょう。
日が完全に昇る日中に入ると、警戒心の高いシーバスはシャローエリアへ回遊し辛くなります。
居着き型と同じように桟橋や橋脚、停泊中の大型船、そしてケーソンのスリットやテトラポッドなどのストラクチャによって出来るシェード(影)に身を潜める傾向が強くなります。
ただ、日中はナイトゲームやマズメ時にはない視界の良さがあり、流れの変化や水中のストラクチャーを見つける事ができます。
時期は専ら春~秋にかけて、特に稚鮎を追いかけて河川に入るシーズンがメインとなりますが、日中でも十分に釣果を狙えます。
この時期の日中でシャローを狙うなら、干潟や河川で魚の付き場や回遊ルートになりやすいブレイクに近づくため、ウェーディングを行うのが良いでしょう。
因みにエサ釣りの中でエビ撒き釣りや泳がせ釣りでスズキを狙う行う場合は、時期を問わず日中も夜間も釣果に大きな差は出ないと思っておいて良いでしょう。
【夕マズメ時】
朝マズメ同様、夕マズメ時もまた陽が落ちて薄暗くなり、シーバスの警戒心が薄れるので釣りやすくなる時間帯です。
シーズン・釣り場・釣り方を問わずシーバスを狙うには良い時間帯ですが、朝マズメよりも夕マズメに明らかに分があるのは、冬シーズンということができます。
寒い時期は水温が低くベイトも少なめで、堤防付近への回遊機会は減りますが、最も水温が高くなるのが午後以降の時間帯になります。
そのため、冬シーズンには水温が最も高くなる夕マズメ時が最も有効な時間帯になります。
【夜間(深夜を含む)】
夜行性のシーバスにとって、警戒心が下がる夜は潮が最も動く時間帯が重なることも多く、初心者のうちほど最も釣果が期待できる時間帯です。
特に産卵から戻ったシーバスが体力回復を図る3月後半から5月前半は、バチ抜けの本格化の時期と重なり、この時期のナイトゲームは鉄板だと言えます。
まだ動きが鈍くベイトを追わない時期ほど夜間の釣果は良く、これはブッコミ釣りや電気ウキの流し釣りがメインとなるエサ釣りでも同じ傾向にあります。
ただ、生きエサを使った釣りでは夜間以外でも普通に口を使い、釣果を出すのは難しくないのですが、ルアーで狙う場合は勝手が違います。
シーバスアングラーで夜間に釣行に出掛けた経験がない方はいないと断言できるほど、日中に比べて夜間は有利でしょう。
また、夜間が良いもう一つの理由として、長く生きて警戒心が上がってしまった歴戦の強者であるランカークラスの大型が出やすいという点もあります。
ナイトゲームは視界も悪く、それに伴い日中よりも危険が伴いますが、シーバスアングラーとしては避けては通れない道なのかもしれません。
なお、海釣りでは当然のことですが、上記で記載した時間帯以前に、潮汐を合わせて考慮する必要があります。
潮汐は大潮、中潮、小潮、長潮、若潮、中潮、そして大潮へと戻る2週間サイクルですが、このサイクルの中では大潮と呼ばれる潮回りが最も潮が動き、釣りには良い潮周りとされています。
シーバスにとってもその点は同じで、大潮もしくは大潮の後の中潮が良い潮周りとされているので、その点も含めて釣行予定を立てましょう。
更に、満潮と干潮の前後の「潮が止まる前」や「潮の動き始め」と言われる時間帯は、シーバスが釣れやすいタイミングになります。
逆に満潮時と干潮時は「潮止まり」と呼ばれ、ベイトの動きも鈍くなる為シーバスの活性も下がりやすいと言えます。
これらの時間帯が、先に紹介したシーバスが釣れる時間帯に合致していれば、最も釣果が期待できるタイミングということになります。
以上で、シーバス(スズキ)の特徴と習性の紹介を含めた、釣れる場所、釣れる時期、釣れる時間帯の紹介を終わります。
シーバスは海釣りのターゲットとしては、身近な都市部の港湾内で釣れる嬉しいターゲットです。
また、周年釣れる存在で、時期によって釣り方を変えて楽しむことが出来る面白い対象魚です。
エサ釣りであれば、それほど多くの条件を意識することも無いのですが、ルアーで釣るにはフィールドとマッチザベイトを読む力を要求されるゲーム性の高いターゲットです。
安定的な釣果を出そうと思えばそれなりの知識や経験も必要なので、初心者のうちはボウズもたくさん経験することでしょう。
初心者さんがまずは1匹上げることを目的に始めるのであれば、春のバチ抜けパターンから入門するのが良いかもしれませんね。