アジ、サバ、イワシなどの小型の青魚が釣れるサビキ釣りの時期は、最も多くの釣り人が都市部・地方を問わず身近な堤防へ出掛ける海釣りのハイシーズンです。
波止釣りの中で最も楽しむ人が多いサビキ釣りのメインターゲットは、誰もが知っている大衆魚のアジですが、サビキ釣りはアジ、サバ、イワシ以外にも多くのターゲットが釣れる釣り方です。
そのあたりの事は、すでに以下の記事で紹介済みです。
釣りの入門者や初心者でも、簡単に釣果が得られるサビキ釣りは、長くエサ釣りをしている釣り人であれば経験がない方はいないと言っても過言ではないほどポピュラーな釣りです。
ここでは、サビキ釣りの経験が浅い釣り人さんが気になるサビキで釣れる時期、時間帯、釣れる場所などについて、時期や時間帯に合わせた釣り方のポイントを含めて紹介します。
【サビキ釣り】釣れる時期と時間、釣れる場所
サビキ釣りを長年楽しんでいるベテランさんの中には、周年を通してサビキ釣りを楽しんでいる方もいます。
さすがに真冬の厳冬期は、日本国内のほとんどの地域でサビキで釣果を出すのは難しい釣り環境になりますが、それでもボウズのがれの釣りとしては、間違いなくトップクラスの釣り方だと言えます。
その理由は、先にお伝えしたようにサビキではメインターゲット以外にも多くの外道と呼ばれる魚が釣れることに起因しますが、それもまたこの釣り方が人気No.1である所以でしょう。
サビキ釣りは初心者さんが海釣りに入門する際に、最初に始める釣り方としても採用されることが多い釣り方です。
ほとんどの初心者さんはサビキ釣りシーズン中に初めての海釣りを体験することでしょう。
ただし、中にはサビキ釣りが初心者や入門者でも手軽の釣れる人気のある釣り方ということだけで、時期や時間帯を考えずに始めてしまう方もいるかもしれません。
的外れな釣り場や時期、時間帯に出掛けると、さすがのサビキ釣りでも釣れないということもあります。
これに加えて、サビキ釣りには、サビキカゴを使った単なる胴突き仕掛けと、仕掛けにサビキウキを使う投げサビキ仕掛けの2種類の釣り方があり、またカゴの位置をサビキの上に付けるか下に付けるかで、上かご式や下かご式など、地域の釣り場や狙い方に応じて少しの違いが存在します。
そして、この少しの違いは時期や時間帯次第で大きな釣果の差として表れることが珍しくありません。
それゆえ、ここでは、サビキで釣れる時期、時間帯、釣れる場所などについて、時期や時間帯に合わせた釣り方のポイントも含めて紹介したいと思います。
本記事をご覧いただく方には、波止釣りの入門者さんや初心者さんも多いと思いますので、サビキ釣りそのものをご存じない方のために、サビキ釣りとはどのような釣りかごくごく簡単に説明するところからスタートします。
サビキ釣りとは
サビキ釣りとは、5つか6つの魚皮やビニールで模した擬餌エサを付けた釣り針を海中に沈め、この擬餌エサに食いついたアジやイワシ、サバなどの小型の青魚を狙う釣り方です。
ここでいう擬餌エサが付いた針(擬餌針)のことを単にサビキと言いますが、もちろん偽物のエサが付いたサビキだけで釣れるというわけではありません。
上図のように、サビキ釣りでは、寄せエサとして主にアミエビが入ったカゴや網と一緒にサビキを沈め、釣り竿を上下にしゃくって撒き餌を拡散し魚を集めます。
エサのアミエビは強烈に魚の食い気を立たせる集魚エサで、これを食べに多くの魚が集まってきます。
アジやイワシ、サバなどの群れで行動する魚は、このアミエビを見つけると、我先にと半狂乱状態でエサを食い漁ります。
そこにサビキが存在すると、撒きエサと間違えて疑似エサに食いついてしまい、針掛かりして釣り上げられるという結果になります。
サビキ釣りシーズン中のアジ、サバ、イワシは群れが大きく、3桁に及ぶ釣果が得られることも珍しくありません。
もちろん時間帯によっては、これら青魚が回遊しておらず、同じように群れを成すエサ取りのオセン(スズメダイ)やウリボウ(シマイサギの幼魚)ばかりが釣れることもあります。
地方の水質の良い釣り場であればお土産にできるコッパグレやサンバソウが、都市部ではあまり好まれませんがママカリやコノシロなどが良く釣れる地域もあります。
このように波止際にはメインターゲットのアジが回遊していない時間帯があり、こんな時に有効な釣り方が投げサビキです。
サビキ仕掛けにウキを付けて、ウキサビキにすることで仕掛けを堤防から離れた沖目にキャストすることができます。
魚のいる棚にウキ下を合わせる必要があり、通常のサビキ釣りと比べると少し難易度が上がりますが、非常に有効な釣り方なのでご存じなければ覚えておきましょう。
もちろん沖目にもターゲットがいない時もありますが、通常波止際に回遊していない時間帯は沖の水深のある深場に出ているので、ウキサビキにすることで釣果は得やすくなります。
これは時間帯だけでなく、釣り場の特徴や時期によっても同じことがいえ、波止際に青魚が回遊していない時は投げサビキで狙うのがおすすめです。
サビキで釣れる時期(シーズン)
どのような魚でも、時期(シーズン)は地域によって多少ズレが生じます。
アジ・サバ・イワシの場合も水温の違いによって接岸時期にズレが生じ、またアジの場合は温暖で水深のある釣り場では、シーズンが終えても沖目に出て行かない個体もいます。
このような居着きとなるケースは、得てして暖流である黒潮の影響を強く受ける地域の特徴ですが、ここでは一応管理人が住む関西地方を中心としたサビキシーズンの紹介になりますので、その点はご認識下さい。
すでにお伝えしましたが、ターゲットを問わなければサビキ釣りは周年を通して楽しむことができる釣り方です。
しかしながら、やはりサビキシーズンと言えるのはアジが釣れる時期を中心に紹介する必要があるでしょう。
すなわち、サビキシーズンの開幕は豆アジが接岸し始める5月であり、成長した子アジが沖へ帰っていく12月がシーズンの終了時期だと言えます。
ただ、5月と12月はいずれも釣果が安定しないことが多く、たいていは6月~11月がサビキのシーズンとして紹介されます。
その中でもメインシーズンは夏から初秋にかけて、具体的には6月~10月がサビキで最も良く釣れる時期となります。
この期間は水温が高く、日中でも青魚が釣れ続くというケースも多々あります。
波止際まで回遊してくるので、多くの外道も混じって五目釣りが楽しめるのもこの時期です。
それ以外にも3月や年明けの1月にも、釣り場によってはアジが回遊することがあります。
シーズンがズレたタイミングで接岸してくるアジが良型が多く、チャンスタイムは少ないですが、上手く釣れば納得の釣果になります。
ただし、シーズン外れのアジは朝夕のマズメ時や、夜釣りでなければ釣るのが難しく、沖目に回遊するので基本は投げサビキやブッコミサビキが中心の釣りとなります。
前述のように周年サビキ釣りを楽しむベテランさん向きの釣りだと言っても良いでしょう。
ただし、イワシについては水温が下がっても釣れる魚なので、カタクチイワシなどの小魚は秋口に多いですが、マイワシやウルメイワシは初冬や春先に良型が釣れます。
逆にサバは高水温を好むので、夏から秋口が釣果の中心で、水温が下がる冬から春は姿を消す魚だと認識しておきましょう。
サビキで釣れる時間帯
上記ですでに紹介した内容と一部重複しますが、サビキで釣れる時間帯は時期によって変わってきます。
サビキで最も良く釣れる時間帯は、海釣りにおける他の釣りと同じように夜明け付近の朝マズメ時と、日暮れ付近の夕マズメ時です。
これは、サビキ釣りに限定されたものではなく、どのような釣りにおいても共通の魚の食事時ゆえです。
ただし、サビキでアジを釣る場合、シーズン開幕時と終盤はこの傾向がより顕著になり、釣れる時間そのものも短いタイミングになりがちです。
逆に良く釣れるシーズンとお伝えした7月~9月頃の高水温期には、日中の時間帯でも十分な釣果が得られるケースが多くなります。
これには浅場に寄りやすい水温の高さだけでなく、群れの大きさや、捕食の活性の高さにも起因しています。
簡単に言えば、陽が長い時期は少々マズメ時を外しても釣れますが、陽が短い時期には必ずマズメ時を念頭に入れた時間帯に竿を出している必要があるということです。
マズメ時を逃すとアジの釣果はなくなる可能性が高くなるので、肌寒さを感じるような時期になれば、朝は夜明け前から釣り始め、夕方は回遊が見られなければ陽が落ちてからもしばらく粘ってみると良いでしょう。
なお、アジやサバは夜釣りのサビキでも釣ることが出来るので、日中の暑さがきつい時期や、シーズン外れには夜釣りの時間帯に出掛けるのも良いでしょう。
実際、アジングを楽しむアングラーのほとんどはナイトフィッシングであり、日中に比べて良いサイズが釣れるのも夜の時間帯の特徴です。
夜釣りでサビキを行う場合に波止際で狙う場合は、漁港では常夜灯が点灯している場所や、投光器を入れてやるとプランクトンや小魚が寄り付き、アジも釣りやすくなります。
明かりがない釣り場や、水深の浅い釣り場では、先に紹介した内容と同様に、投げサビキ釣りやブッコミサビキで、海底に近い棚を狙ってみると良いでしょう。
サビキで釣れる場所(釣り場)
サビキ釣りは一般的な堤防や護岸、沖堤防(一文字)であれば釣り場を問うことなくどこで釣ることが可能です。
場合によっては地磯やサーフでも釣果が出ることがありますが、サビキで釣れる場所は都市部、地方を問わないので、わざわざ釣りにくい釣り場を選ぶ必要はないでしょう。
堤防釣りでの釣り場における一級ポイントは、潮通しの良い沖向きや波止の先端付近ですが、シーズン中であれば漁港の内湾にも回遊してきます。
水深と潮の流れがない場所を除けば、どこでも釣れると言っても過言ではありません。
因みに一番わかりやすいサビキで釣れる釣り場の指標は、たくさんの釣り人がサビキ釣りをしている釣り場です。
特にアジやイワシが良く釣れる釣り場には、多くの釣り人が集まってくるので、そういった釣り場に出掛けると良いでしょう。
人が多い釣り場に抵抗をもつ人もいますが、ことサビキ釣りでは、その考えで人の少ない釣り場へ出掛けると、スタート時点で後れを取ることになります。
サビキ釣りでは撒き餌のアミエビで魚を集めると言いましたが、自分一人で撒き餌ができる量など、この広い大海原ではたかが知れた量なのです。
多くの釣り人が絶えず撒き餌をしている状況は、サビキで釣れる魚を集めるだけでなく、その場に魚を長く足止めできる効果もあります。
サビキで釣れる魚は、毎年同じような時期に同じ場所へ回遊してくるので、その釣り場の釣り人口が増えてくれば、メインターゲットが釣れていると考えて出掛けると良いでしょう。
以上で、サビキで釣れる時期、時間帯、釣れる場所の紹介を終わります。
サビキ釣りについては、その他にも参考になる記事がありますので、宜しければご参考にどうぞ。
とにかくアジを狙いたいという釣り人さんには、アジを釣るための情報について詳しく紹介しています