海釣りを行う釣り人の中で、投げ釣り師を魅了してやまない大人気のターゲットに【キス(シロギス)】がいます。
シロギスは春の終わり頃から晩秋にかけて釣れる魚で、体長は15~25センチ程度の小さな魚体にも関わらず、ブルブルブルッと手元に伝わる強烈なアタリと、ヒットした際の小気味よい引きが魅力の魚です。
キス釣りと言えば、砂浜(サーフ)から行うダイナミックな投げ釣りをイメージされる方が多いと思います。
キスは海底が砂地の釣り場で釣れる魚であることから、確かにサーフでの投げ釣りを行う釣り人さんがメインになるのは事実です。
ただ、実際は砂地であればどこでも釣れるチャンスはあり、一般的な護岸や漁港内でも十分に釣果が出せる魚です。
釣り方も本格的なタックルを必要とする投げ釣りだけでなく、汎用的なショートロッドやルアーロッドなどを使ったちょい投げ釣りでも、気軽に楽しめるターゲットでもあります。
シロギスは海釣りの釣魚としては決して釣るのが難しい部類の魚ではないので、長く釣りをしているベテランさんだけでなく、これから釣りを始める入門者さんや初心者さんでも普通に釣れる魚です。
それゆえ、キスは堤防釣りでも人気のターゲットとなっていますが、キス釣りの人気としては以下のような点が挙げられるでしょうか。
キス釣りが人気の理由
- パールピンクの美しい魚体
- パワフルなアタリで釣っていて気持ちが良い
- 釣り方と攻略次第では数釣りが楽しめる
- 時期で攻略パターンが変わりゲーム性が高い
- 非常に美味しく、食材としての魅力も高い
キスは特別な知識や技術を持たずとも釣れることがある魚ですが、キスを狙って釣るためには、基本知識と多くの経験がものをいうターゲットです。
少なくとも釣れる時期や時間、釣り場を理解していなければボウズになることもある対象魚なので、最低限の知識は身につけておきたいものです。
ここでは、シロギスの特徴と習性について簡単に紹介した後、キス釣りに適した時期(シーズン)、時間帯、そしてキスが釣れる場所について纏めます。
【キス(シロギス)】特徴と習性 ~釣れる時期・釣れる時間・釣れる場所~
ここでは、キスを釣るために押さえておきたい基本知識として、以下の4点について紹介します。
キス釣りに関する基本知識
- キスの特徴と習性
- キスの釣り場とポイント
- キスが釣れる時期(シーズン)
- キスが釣れる時間帯
まず始めに、キスという魚の特徴と習性について紹介します。
その後、キスの習性を踏まえた上で、キスを釣るために関係が深い、キスが釣れる場所、釣れる時期、そして釣れる時間帯について確認してみましょう。
キスが良く釣れる釣り場・時期・時間は、それぞれ密接に関わり合い、例えば、時期が異なれば釣れる場所や時間帯も変わってきます。
本記事をご覧になる方の釣行時の参考になるように、出来るだけ具体的なケースに分けて紹介しようと思います。
なお、これに合わせて、具体的なキスの釣り方の種類についても紹介したいところですが、記事が長くなりすぎるので、これらについては別途、釣り方についてまとめた記事にて紹介したいと思います。
キスの特徴
まず始めにキスとは、スズキ目スズキ亜目キス科に属する魚の総称で、5属34種類の仲間がいると言われています。
漢字で魚偏に喜ぶと書いて「鱚」となり、単にキスといえば、シロギスを指すのが一般的な認識として浸透しています。
キスは温帯や熱帯に分布する南方系の魚ですが、その中でもシロギスは日本では北海道より南の沖縄を除く日本全国に分布し、水深の浅い沿岸地域に生息しています。
以下、シロギスに限定した紹介としますが、キスの外観として、体形は細長くスリムな紡錘形で、口は小さめでやや下向きに付いており、背ビレは前後に分かれています。
体色としては、背側は少し緑がかった灰色で腹側は白く、全体的にはパールピンクと呼ばれる虹色に輝いて見え、「海の女王」と呼ばれる美しい魚体が特長です。
体表のウロコは結構硬めなので、指先で撫でてみるとザラザラとした感触を感じることが出来ます。
キスは寿命の長い魚で10年以上生きる個体もいますが、その反面、成長速度は遅いので30cmを超える尺ギスは大物ということになります。
比較的簡単に数多く釣れるサイズは、ピンギスと呼ばれる10cm前後の1歳から2歳までのサイズで、生後3年目を迎えると15cmを超え、4歳以降の20cmクラスに届けば十分に満足のいく釣果と言えます。
食材としてのキスは価値が高く、透明感のある白身で血合いは薄く、内臓も含めて臭みがないので、新鮮なものは刺身や昆布締めで美味しく頂けます。
熱を通しても身が締まらないことから、ふっくら天ぷらやフライは定番の料理で、普通に塩焼きしても美味しいです。
キスは春から初夏にかけて旬を迎える魚で、産後の夏には少し味が落ちますが、万人から好まれる淡白な食味が魅力の魚です。
キスの習性
キスは越冬も含めれば、水深50mまでの浅い砂地の海に生息する魚で、稚魚は餌が豊富で外敵から身を守りやすいアマモ場や海藻類につき、成魚になると浅場の海底を泳ぎ回るようになります。
春を迎え気温、水温ともに上昇してくると、キスは徐々に沖の深場から浅場に接岸してくるようになり、夏が近づき更に海水温が上がると、産卵のため浅瀬に寄りつく個体が増えます。
産卵期は6月から9月くらいで、産卵は岩礁と岩礁の間の砂浜の水深数mしかないごく浅い場所で行われ、1回で10万粒にもおよぶ浮遊卵を複数回にわたり産卵します。
産卵期の間は沿岸のごく浅い場所まで移動してくることから、この時期は砂浜からもよく釣れ、数釣りが楽しめるベストシーズンとなります。
その後、秋から冬になり水温が下がると、再び水深30m~50mほどの深場へ戻っていく(離岸する)という生態をもちます。
キスの稚魚は1年で5㎝前後まで、そして2年で15㎝程度まで成長しますが、その後は成長速度が鈍化し1年で3cm程度ずつサイズアップしていきます。
そう考えると、20cmオーバーのキスが良型というのも納得のいく説明だと言えるでしょうか。
シーズンを迎え浅場に寄りつくキスは、砂浜の釣り場だけでなく、漁港内や河口などでも、浅い砂地がある釣り場であればどこでも釣ることが出来ます。
日中は砂地の海底沿いで群れを形成しながら移動しており、 海底にいるゴカイやイソメ類などのエサを主食にしていますが、危険を感じると砂の中に潜る習性を持っています。
そのため、表層や中層に浮き上がるようなことはなく、釣り方は投げ釣りやちょい投げに代表される底物狙いの釣りになります。
キスは時期や時間帯により、釣れる場所やポイントは少しづつ変化しますが、そのあたりのことは以降で紹介したいと思います。
それではキスの習性のうち、釣りに関与が深い点を、より詳細に確認していきましょう。
キスが良く釣れる釣り場とポイント
キスはもともと定着性のある魚で、それほど広い範囲を移動する魚ではありません。
もちろんキスにも14℃~28℃という適水温があって、冬は水温が10℃を下回る地域も多く、越冬のために沖の深場へ出ていきますが、それでも回遊魚のように大きく移動することはありません。
キスが良く釣れるポイントと言うのは、釣り場によって概ね決まっており、海底が砂底というのはサーフであれ、漁港であれ、河口であれ共通の必須条件と言うのは先に紹介した通りです。
砂底の海というのは得てして海草類も少なく、多少の起伏はあるもののなだらかに沖へと続くのが一般的です。
ただ、そんな中でも磯に隣接したポイントでは岩礁帯が多く存在したり、水質の良い海水浴場などの遠浅の海ではアマモなどの海藻が茂っていたり、また海底に掛け上がりなどの変化のある場所があります。
このようなポイントは、すべてキスの好ポイントになります。
特にアマモは群生して,草原のような「アマモ場」と呼ばれる群落を作り、魚介類の産卵の好適環境をつくりだすと共に,稚魚やエビなどのすみかとなります。
キスの稚魚やピンギスクラスにとっては良い隠れ家となり、成体にとっては良いエサ場となります。
また、サーフへ流れ込む川の周辺にある釣り場はキス狙いの好ポイントとなり、伏流水が発生するような場所は、栄養分が豊富な水が注いでいるためキスの餌となるゴカイ類が多くいます。
夏場には水温が上がり過ぎる水深の浅い釣り場であっても、絶えず水質の良い湧水が出るポイントでは水温の上昇も抑えられ、キスが寄りつきやすい環境が生まれます。
キレイな水を好むキスにとって、アマモが群生する場所や伏流水が出る場所は絶好のポイントだと言えるでしょう。
逆に上記で挙げたようなポイント以外の変化のないサーフでキス釣りを行う場合は、遠近投げ分けたり、引き釣りで仕掛けを引いてくるなどして、まずキスの群れの位置を掴むことが重要になります。
群れをなすキスは海岸沿いを水平に移動すると言われますので、ポイントまでの距離感を掴み、群れが移動するラインを集中的に攻めるのが釣り方のコツとなります。
なお、サーフの中でも上の写真にあるような石積みの波止や小波止があるような場所は、遠近ともに海底の様子を確認しながら釣りが出来る良いキス釣り場だと言えるでしょう。
キスはサーフだけではなく、砂底のある漁港でも普通に釣れる魚です。
漁港からキスを釣るメリットとしては、ちょい投げでキスのいる場所を探りながら釣ることができる点があります。
サーフでも水深1m未満の波打ち際までキスが寄っているケースもありますが、やはりちょい投げ釣りでは運任せとなり、安定的な釣果を出すのは難しくなります。
足元から水深のある漁港では、シーズンによって居着く場所が変わるキスを、幅広く狙えるポイントが存在するというメリットがあります。
その中でも、写真にあるような、大波止の先端付近は、外向き、内向きのいずれのポイントも狙え、更に堤防と堤防の間にみお筋と呼ばれる船道があるような釣り場は理想的な釣り場だと言えるでしょう。
キスに限った話ではありませんが、漁港のベストポジションはやはり大波止先端の潮通しの良いポイントになるので、人気のポイントになりますが、空いていれば先端に入りたいところです。
そして次点としては、沖向きの掛け上がりや、テトラの切れ目、ミオ筋などエサが豊富で変化のあるポイントを狙うのが良いでしょう。
そして、意外なところでは、沖向き、内向き問わず、波止の足元でもキスが寄っている場合が多々あります。
キスのシーズンはファミリーフィッシングのサビキ釣りのシーズンとも被るので、サビキ釣りのマキエに惹かれて波止際に寄って来たキスが釣れることは普通にあります。
更に天候や気圧の影響で、海にうねりがある時などは、内向きの静かな港湾内にキスが入ってくるケースも増えるので、釣り場の環境に合わせてポイント選びをするのも良いでしょう。
なお、キスは天候不良によるうねりや底荒れ、雨による海水の濁りといった状況悪化に弱い魚です。
サーフと違って水深のある漁港では、このような釣り環境の悪化にも比較的強いというメリットもあります。
漁港はこのように、キス釣りにとっても、非常に多くのメリットを有する釣り場です。
漁港でキスを狙うメリットはご理解頂けたかと思いますが、ただ魚影の濃い漁港ほど人気が高く、釣り人が多いというデメリットもありますね。
そんな時はサーフが隣接するような漁港を探してみるのも良いでしょう。
漁港が一杯でチョイ投げも難しいような状況であれば、キスなら砂浜に移動して狙うということも出来ます。
キスは水質の悪い湾奥の釣り場を除けば、砂地がある釣り場ならどこでも楽しめる、非常に嬉しいターゲットです。
それでは、改めてキスが良く釣れる釣り場やポイントの条件を簡単に纏めておきましょう。
キスが釣れる釣り場
- サーフ、漁港、河口を問わず砂地の釣り場
- キスは水質がキレイな海を好む
- 産卵に適したアマモなどの海藻が茂る付近はキスが集まりやすい
- 砂地に岩礁がある場所などもポイント
- 掛け上がりやミオ筋などは定石ポイント
- 小川や近辺の山から海底に伏流水が湧く場所は超一級ポイント
- 新鮮な海水の流入がある潮通しの良い釣り場
- うねりや底荒れする天候の場合は、水深のある釣り場が有利
- 濁りは砂に潜ったり沖へ出たりしやすくなるので大敵
- 雨後の塩分濃度の変化は好ましくなく水深のない河口は不向き
上記について、少しだけ補足しておきたいと思います。
底物のキスはヒラメやマゴチ、エソといった天敵も多く、海水が濁るとキスの警戒心が上がり、砂に潜ってしまったり、沖の深場へ移動してしまうことに繋がります。
キスの生息環境が、もともと少し濁っているような水質の釣り場では該当しませんので、誤解なきように合わせてお伝えしておきます。
キスがよく釣れる時期(シーズン)
どのような魚でも、時期(シーズン)は地域によって多少ズレが生じます。
キスの場合も水温の違いによる接岸時期や産卵時期のズレで、多少の時期の差は生じますが、それほど大きな差はないと言えます。
一応管理人が住む関西地方を中心としたシーズンの紹介になりますので、その点はご認識下さい。
まずは、キスが釣れる時期をまとめたシーズン表を記載しておきます。
【キスの釣期カレンダー】
属性 |
魚種 |
シーズン(季節と時期) | |||||||||||
冬 | 春 |
夏 |
秋 |
||||||||||
1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | ||
底物 | キス | △ | 〇 | ◎ | ◎ | 〇 | 〇 | ◎ | △ |
キスが釣れる時期を春、夏、秋、冬の四季に大分類し、そして月単位で最も良く釣れる時期を『◎』、普通に釣果が出る時期を『〇』、ムラが大きく釣り難しいが一応釣れる時期を『△』、ほとんど釣果が期待できずメインターゲットとして狙うとボウズが濃厚な時期は『無印』としています。
前述のようにキスは基本的に夏の釣魚で、1月~4月の厳冬期や初春には釣れることは稀で、狙ってもボウズの確率が高い魚になります。
以下、それぞれの時期の特徴について以下で補足説明します。
先にも紹介しましたが、キスの適水温は14℃~28℃で、単純に水温だけで判断するとキス釣りシーズンは5月始めから12月一杯ということになります。
キスの釣期と水温の関係については、以下のサイトで詳しく紹介されており、かなり一致する魚種の一つということです。
2月の中旬から3月にかけて底打ちする低水温は、初春を迎える頃から徐々に上昇し、4月の半ばを迎える頃には表層水温がちょうど14℃程度まで上がります。
ただ、キスは底物ということもあり、海底の水温上昇は表層よりも2週間程度は遅れて上がり始めます。
それゆえ、釣り場によっては4月に釣れ始める釣り場もありますが、本格的なシーズンインは5月だと思っていた方が良いでしょう。
ちょうど水温の上昇に伴い沖へ出ていくカレイの代わりに、キスが接岸し始めるというようなタイミングとなります。
暖冬の場合を除き、4月にキスを釣ろうと思えば、遠投での投げ釣りが必要になるでしょう。
そして、5月のシーズン序盤から6月の梅雨頃までは、数は出ないまでも、大型のキスが狙える時期になります。
早春から初夏にかけては、まだまだ活性も上がり切っていない状況ですが、比較的大型で体力のあるキスが産卵のために一足早く接岸すると言われています。
良型のキスを狙うのであれば、遠近可能な両タックルを持参し、ベストシーズンを迎える前に釣行に出るのが良いでしょう。
そして7月を迎える頃には水温は20℃に達し、キスにとっての最適温と言われる18℃~22℃となり、非常に活性の高い状況になります。
陽照りの強い日が続く真夏を迎えると、キスはまとまった群れで岸際までやってくるため、ピンギスを含めた小型の釣果が中心となりますが、たくさん釣れるようになります。
キスは複数回の産卵を繰り返すため、大型のキスも一応いるのですが、小型のキスの群れが数多く、どうしても良型は釣れにくくなります。
さらに8月そして9月に入ると海水温は1年のうちで最も高くなり、表層水温は25℃を超え、こうなると浅場や波打ち際にいたキスは高水温と酸欠を避けるために少し深場に移動してしまいます。
10m深度のあるポイントでも25℃近い水温になることから、なるべく潮通しの良い沖向きで水深のあるポイントを狙う方が有利になります。
そして、9月から10月、11月にかけて徐々に低下する水温は、再びキスの活性を上げ、積極的に浅場に接岸してくるようになります。
10月と11月は沖へ帰っていく前の荒食いも手伝い、サイズも大小入り乱れて爆特を経験できる良く釣れる時期にあたります。
秋のキスは漁港内で行う近距離のちょい投げでも数釣りが可能なので、堤防釣りではベストシーズンと言っても過言ではない時期です。
そして、晩秋から初冬の12月に入ってくると、キスはシーズン終盤となり、サイズの小さいピンギスから順に浅場から姿を消します。
そうはいっても、まだ水温はキスの適水温を維持しており、最後まで残った良型の落ちギスが年内一杯は狙える状況が続きます。
なかには引き続き冬にキスが釣れる釣り場がありますが、年明けを迎える頃には概ねキスのシーズンは終了となります。
キスが狙える時間帯(タイミング)
他の魚と違ってキスが狙える時間帯は、夜間を除く終日と理解しておいた方が良いかもしれません。
ただし、どのような魚にとっても食事時となる朝と夕方のマズメ時は良く釣れる時間帯で、潮汐を意識する必要があるのはキスも例外ではありません。
徐々に明るくなったり暗くなったりするマズメ時は、キスの警戒心も薄れるため、エサを活発に捕食する時間帯となります。
また潮止まりはやはり食いが悪くなる傾向が顕著ですが、朝夕のマズメ時に、潮がよく動く上げ3分や下げ7分が重なれば、大いに釣果が期待できる時間帯だと言えるでしょう。
因みに上げ潮と下げ潮の釣果の差は、釣り場や水深の有無によっても変わり、それほど深く考えなくて良いのではないでしょうか。
ただ、上げ潮では幅広いポイントで釣れるような気がする反面、下げ潮ではキスのたまり場で数釣れるといった傾向があるような気もします。
そう考えれば、キス釣りの入門者さんや初心者さん、あるいは初見の釣り場では上げ潮を狙う方が良いのかもしれません。
なお、ついでに紹介しておくと、キス釣りでは潮周りはあまり気にする必要がありません。
極端に潮の動きがない場所でなければ、大潮や中潮でなくとも、小潮や長潮、若潮などのあまり良くない潮周りでも普通に釣果は期待できます。
キスの潮汐に関しては、潮周りよりは潮が動く時間帯を意識した方が良いでしょう。
そして、陽が上がった日中の時間帯ですが、この時間帯でも潮が動く時間帯は釣果が期待できます。
ただし、前述のように8月、9月の日中は気温が最も高くなる時期で、浅瀬では水温が上がり過ぎるため、陽が高い時間帯のキスは深場へ移動してしまいます。
少し水深のある釣り場や、外洋に面した潮の流入が大きいポイントを選択するなど、時期と時間帯に合わせたポイント選びが重要になります。
更に高水温期については、夕方のマズメ時は、日が傾いてもまだまだ水温が高い状況が続いているポイントが多いです。
そのような釣り場では、同じ一日の中でも朝マズメ時の方が水温が低く、キスの適水温に近いということも合わせて覚えておけば良いでしょう。
そして、夜の時間帯ですが、夜釣りではキスがまったく釣れないという訳ではありません。
ただ、キスは日が昇り始める朝の目覚めとともに海底の砂から這い出て行動を始め、陽が沈むと逆に砂に潜って眠るという習性を持つ魚です。
夜間の時間帯は、大きな群れで移動するするという行動が期待できませんので、かなり釣り難しくなり、釣れてもポツリポツリというふうに考えておいて間違いないでしょう。
以上で、キス(シロギス)の特徴と習性の紹介を含めた、釣れる場所、釣れる時期、釣れる時間帯の紹介を終わります。
よくシーズナルパターンという言葉が使われますが、キスの場合も時期に合わせて釣り場や時間帯を変えることが好釣果に繋がります。
ただ、他の堤防釣りの釣魚に比べると、キスは日中でも十分な釣果が期待出来る点は非常に大きなメリットです。
また、シーズン序盤と終盤の良型狙い、初夏から始まるピンギスの数釣りと、違った釣り方で臨むのも大きな楽しみとなります。
海釣り対象魚としてのキスは非常に魅力のあるターゲットなので、ふだんは堤防釣りを楽しむ方も、合わせてちょい投げから取り組んでみてはいかがでしょうか。
釣果は釣り方の種類にもよるので、一概にここで紹介した内容だけでキスが釣れる釣れないとは言えませんが、ここで紹介した内容がキス釣りの基本的な知識の一端としてお役に立てれば幸いです。
その他の人気魚種についても詳しく紹介していますので、ご参考にどうぞ。