【キジハタ(アコウ)】釣れる時期と時間、釣れる場所

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エサ釣りとルアーフィッシング、いずれの釣り方でも狙われるロックフィッシュ(根魚)で、高級魚として認識されている釣魚の一つにキジハタ(アコウ)がいます。

日本国内では本州、四国、九州の全域に生息する魚ですが、管理人がメインフィールドとしている大阪湾では、2000年前後の一時期、アコウの漁獲量はほとんど失われ、幻の魚とまで言われるようになっていました。

しかしながら、大阪府ではアコウの種苗生産と2010年度からは稚魚の大漁生産放流を行い、関係者の努力のおかげで年々漁獲量も回復しつつあり、釣り人もその恩恵にあずかれるようになってきました。

キジハタ(アコウ)は岩礁帯を好んで棲息する魚で、もともとロックフィッシュゲームの対象魚の一つでしたが、フィールドが磯場に限らず身近な防波堤でライトタックルを使って狙えることから、近年は全国的に人気が拡がっています。

そんなアコウ釣りの魅力は概ね以下のような感じでしょうか。

アコウ釣りの魅力

  • 強い引きでパワフルなやり取り
  • 大型サイズの根魚が釣れる
  • 外道として他の根魚も釣れる
  • 身近な波止釣りでも狙える
  • ライトタックルで楽しめる
  • 大物1匹仕留めれば納得
  • 高級魚で食材としての価値が高い

アコウ釣りは上記のようにメリットが多く、釣って楽しい・食べて美味しい、魅力溢れる釣り物で、近年人気のロックゲームを始め、エサ釣りではズボ釣り、呑ませ釣り、エビ撒き釣りなど、多彩な釣り方で狙える面白いターゲットです。

シーズン中のアコウであれば、地域によっては釣果を上げるのは決して難しい魚ではありませんが、釣れる時期や時間、釣り場やポイントを理解していれば、ボウズになる確率やリスクも下がるため、最低限の知識は身につけておきたいものです。

ここでは、キジハタ(アコウ)の特徴と習性について簡単に紹介した後、アコウ釣りに適した時期(シーズン)、時間帯、そしてアコウが釣れる場所やポイントについて纏めます。

 

目次

【キジハタ(アコウ)】特徴と習性 ~釣れる時期・釣れる時間・釣れる場所~

ここでは、キジハタ(アコウ)を釣るために押さえておきたい基本知識として、以下の4点について紹介します。

アコウ釣りに関する基本知識

  • アコウの特徴と習性
  • アコウの釣り場とポイント
  • アコウが釣れる時期(シーズン)
  • アコウが良く釣れる時間帯

まず始めに、アコウという魚の特徴と習性について紹介します。

その後、アコウの習性を踏まえた上で、アコウを釣るために関係が深い、アコウが釣れる場所、釣れる時期、そして釣れる時間帯について確認してみましょう。

どのような魚でも釣れる釣り場・時期・時間は、それぞれ密接に関わり合い、例えば、時期が異なれば釣れる場所や時間帯も変わってきます。

アコウの場合にも、いくつか認識しておきたいポイントがあり、本記事をご覧になる方の釣行時の参考になるように、出来るだけ具体的なケースに分けて紹介しようと思います。

魚影の濃い地域ではそれほど気にすることもありませんが、大阪湾のように魚影が薄く、専門に狙わないとまず釣れることがない地域ではより参考になるかと思います。

なお、これに合わせて、具体的なアコウの釣り方の種類についても紹介したいところですが、記事が長くなりすぎるので、これらについては別途、釣り方についてまとめた記事を作成したいと思います。

 

キジハタの特徴(アコウの特徴)

キジハタ(アコウ)の特徴

キジハタ(アコウ)の特徴

まず始めにキジハタ(アコウ)は、スズキ目・スズキ亜目・ハタ科・ハタ亜科に分類さ、日本から中国沿岸の温暖な海域に分布する魚で、高級食材として扱われます。

一般的な呼び名はキジハタですが、主に関西や瀬戸内海でアコウ、山陰でアカミズ、九州北部でアカアラ(種名 :akaara)、愛知県でアズキマス、その見た目からアズキハタやアズキアコウなどとも呼ばますが、管理人の地元大阪を含め比較的アコウと呼ぶ地域が多いので、以下の紹介文章中は【アコウ】で統一させていただきます。

アコウの見た目ですが、体つきは細長く側偏しており、体色は茶褐色ベースで赤色やオレンジ色の斑点が全体に散らばり、各ヒレは黄色みが強く、写真のように白色系統の縦縞がはっきりしている個体もいます。

ハタ科の魚としては小型から中型の部類で、20cmから30cmほどのものが比較的多く釣れますが、根に潜ろうとするパワーが非常に強く、最大全長で60cm近くなる個体もいます。

アコウは雌性先熟の性転換を行う魚で、自然環境では全長約40cmに成長するとメスからオスに転換します。

なお、アコウは非常に成長の遅い魚で、40cmに成長するのに10年ほどかかると言われており、 放流に取り組んでいる大阪府では28cm以下のアコウは. リリースする様にお願いが出されているほどです。

前述のようにアコウは青森以南の日本全国に生息していますが、特に日本海側では魚影が濃く、水深の浅い沿岸の岩礁域で特に砂底の混じった場所を好み、人工護岸の周辺にも生息します。

アコウは温暖な環境を好みますが、敵水温は15℃~26℃、最適温が20℃~23℃と非常に高く、基本的には夏に最も釣れるターゲットとして認識されています。

食用としてのアコウはハタ科のなかでもトップクラスの高級魚で一番美味しいとも言われており、これまでは料亭などにしか出回らない魚でしたが、近年は一部のスーパーなどでも見かけるようになりました。

薄くピンクがかった白身のアコウは、ノドグロやヒラメとともに白身の王様とも言われ、旬は初夏で刺身や煮付けはもちろん、焼き、蒸し、鍋、唐揚げなどどのような料理にしても非常においしくいただけます。

アコウは釣りの対象魚としても食材としても非常に価値が高い、まさに釣って嬉しい食べて美味しい最高のターゲットだと言えます。

 

キジハタの習性(アコウの習性)

キジハタ(アコウ)の習性

キジハタ(アコウ)の習性

アコウは水深が浅目の波の荒い岩礁帯を住処としている個体が多く、どちらかといえば防波堤よりも磯のロックフィッシュゲームとして狙われる魚です。

ただし、砂地混じりの岩礁帯を好む傾向もあり、内湾でもシモリが多い堤防や漁礁が沈めてある海釣り公園、消波ブロック(テトラポッド)の中や大小不揃いのゴロタ石の海底となっているような場所にも生息します。

基本的にアコウは夜行性の魚であり、昼間は光が通りにくい海底の岩陰や穴の中に潜んでおり、夜明け頃から早朝の時間帯や夕方から日の入り直後の時間帯に捕食のための活動を行います。

もちろん、夜間の夜釣りでも釣果は上がりますが、日の出前後と日の入り前後のマズメ時よりかは、釣り難しくなります。

また、磯や水深のある堤防であれば、日中でも普通に釣れますが、サイズは30cmまでの釣果が多くなります。

食性は多毛類(ゴカイ)やカニやエビなどの甲殻類、貝類や節足動物もエサとなりますが、大型の個体になるほど魚食性が強くなり小魚を食べます。

アコウを狙う場合は基本的に生きエサを使う方が好ましく、子アジや活きエビなどが良く使われますが、イカやサンマの切り身、キビナゴなどを使っても釣ることができます。

アコウの産卵期は初夏で、この時期になるとより浅場へ接岸するようになり、産卵後の回復期である秋が終える頃には、また少し沖目へ帰っていきます。

浅場の海水温が最も上がる夏で、苦潮が発生して魚が釣れなくなるような環境においても、逆にアコウは釣果が上がるような魚で、それゆえ夏の釣魚として認識されています。

なお、アコウは比較的行動範囲の狭い魚で、生まれた場所から1km範囲内でその生涯を過ごすと言われており、回遊するポイントや寄り付きやすい根があるので、一度釣れた場所は積極的に狙うと良いでしょう。

ただし、アコウは群れを作る魚ではなく単独で行動し、同じ場所で狙っても立て続けに釣れることはないので、ルアーフィッシングの場合はランガンする方が効果的です。

 

キジハタ(アコウ)が釣れる釣り場とポイント

アコウはどちらかと言えば定着性のある魚で、シーズン中であれば時期や時間帯によって釣れる釣り場はほとんど変化しません。

ただし、さすがに真夏は水温の上昇度合も大きく、身近な堤防であっても水深次第では狙い目となるポイントは変わってきます。

まず、認識しておきたいのは、よほど魚影が濃い地域でなければ、潮の動きが悪い湾奥の釣り場などでの釣果は期待できません。

 

キジハタ(アコウ)が釣れる場所

キジハタ(アコウ)が釣れる場所

アコウを防波堤で釣ろうと思えば、潮の流れが強く水深が20m以上ある釣り場が理想的で、このような釣り場では日中の釣果も期待できますが、残念ながら条件に合致する場所は多くありません。

沖に伸びる桟橋の海釣り公園や沖堤防(一文字)に出るのが一番良いのかもしれませんが、アコウの時合はそう長くないので、追加のコストが発生するのは避けたいところです。

ここでは朝夕のマズメ時と夜釣りに限定されますが、もっと身近な漁港や堤防、人工護岸で狙えるような釣り場とポイントの条件を示しておきたいと思います。

釣り場の基本はアコウが身を潜めることができる大き目の岩やテトラポット帯、藻場などが存在する場所で、テトラポッド帯でなければ水深5m以上は欲しいところです。

上の写真のような磯に隣接した水質の良い堤防は好条件ですが、都心部にはこのような釣り場がないのが残念なところです。

ただし、都心に近い漁港や堤防では海底が砂地になっており、前述のようにアコウは砂地混じりの岩礁帯を好むため、悲観することばかりではありません(単なる砂浜では釣れません)。

なお、アコウのエサとなるカニやエビ、小魚などのベイトが豊富で、潮の動きが良い場所に釣り座を構える必要があります。

同じ漁港や堤防で釣りをするにしても、必然的に堤防の内向きより、外海向きを選択することになります。

堤防の中での好ポイントは、大抵の海釣り対象魚に共通して言えることですが、堤防の先端付近をはじめ、コーナーになっていて潮がよく当たる場所、また漁船が頻繁に通るミオ筋のようにベイトが豊富な場所です。

また、夜釣りであれば小魚の集まりやすい常夜灯付近も、アコウが回遊しやすい場所だと言えるでしょう。

波止際でもある程度水深があり、かつ敷石や捨て石が入った場所であれば足元でも狙えますが、砂地の場合は沖目に存在する岩礁帯や沈み根をキャストして狙いましょう。

アコウは根魚にしては活動的な方で、朝マズメや夕マズメの活性が高い時には隠れ場から出て泳ぎ回りながら捕食行動を行いますので、狙いは海底一辺倒ではなく、根がある場所の底を中心に、中層まで探りを入れながら幅広く狙ってみましょう。

 

それでは、改めてアコウが良く釣れる釣り場やポイントの条件を改めて簡単に纏めておきましょう。

アコウが釣れる釣り場

  • 岩礁帯や藻場が豊富な磯に隣接した釣り場
  • 砂地混じりの岩礁帯を好む
  • 潮通しの良い沖向きに釣り座を構える
  • 水深のある一文字や沖に伸びる桟橋は好条件
  • カニ、エビ、小魚などエサが豊富な釣り場
  • 波止の先端やコーナーが一級ポイント
  • 漁港入り口付近のミオ筋や常夜灯付近も回遊コース

 

キジハタ(アコウ)がよく釣れる時期(シーズン)

どのような魚でも、時期(シーズン)は地域によって多少ズレが生じます。

アコウの場合も水温の違いによって接岸時期にズレが生じ、また温暖で水深のある釣り場では、シーズンが終えても沖目に出て行かない個体もいます。

このような居着きとなるケースは、得てして暖流である黒潮の影響を強く受ける地域の特徴ですが、一応管理人が住む関西地方を中心としたシーズンの紹介になりますので、その点はご認識下さい。

 

キジハタ(アコウが釣れる時期)

キジハタ(アコウが釣れる時期)

ここまでの紹介の中で、もうある程度アコウが釣れる時期についての紹介も終えています。

アコウは船釣りでは一年中釣れる魚ですが、ここでは防波堤釣りベースの紹介としていますので、アコウが釣れる時期は6月~11月とお伝えしておきます。

この中で、特によく釣れる時期は7月~9月で、ちょうどベイトにもなるイワシやアジなど小魚が最も豊富な時期と一致します。

ただし、あまり水深のない釣り場では、初夏の6月~7月にかけてと、初秋の9月~10月にかけては変わらずベストシーズンなのですが、8月は水温が上がり過ぎて一旦釣果が落ちる傾向があります。

また、同様に水深のない釣り場だと11月に入る頃には沖目に出始めるので、釣り場のシチュエーションに応じて、ベストシーズンは多少変化すると考えておけば良いでしょう。

すなわち、梅雨頃のアコウにとってまだ水温が低い6月と、水温が上がり過ぎる8月、そして水温低下が顕著になる11月は水深のある釣り場か、あるいは沖目にキャストして狙うのがお勧めということになります。

逆に7月と9月は、水深を気にせず釣り方に合わせて、やりやすい場所で狙える釣り人自身にとっても好シーズンだと言えるでしょう。

 

キジハタ(アコウ)が良く釣れる時間帯(タイミング)

キジハタ(アコウ)が釣れる時間帯

キジハタ(アコウ)が釣れる時間帯

アコウは夜行性の魚ですが、日中の時間帯でも目の前にエサが来れば捕食するので、一応真昼間でも普通に釣ることができます。

ただし、すでにお伝えしたとおり、これはアコウの魚影が濃い地域や磯場、堤防や護岸でも水深を含めた釣り場の条件が整っている場所でのこととなります。

やはりアコウは夜が1番狙いやすい時間帯となり、夜から朝マズメの時間帯、もしくは夕マズメから半夜に時間帯を狙うのが最も釣れる時間帯だと言えます。

特に一般的な魚にとっての朝マズメに入る少し前の時間帯と、夕マズメの終わりくらいの時間帯は、アコウが捕食のために積極的に行動する時間帯となり、海底だけでなく中層くらいまで浮き上がる傾向が強い時間帯でもあります。

上の写真は一般的な堤防でアコウのズボ釣りをしている写真ですが、このように同じような仕掛けで複数の竿を出し、棚やエサを使い分けて狙うことで釣果を出しやすくなります。

活きエビを使ったエビ撒き釣りでは、底を切ったウキ釣りで狙うことも可能ですし、小アジを使った呑ませでもブッコミ仕掛けではなく、エレベーター仕掛けの泳がせ釣りが可能となります。

また、ルアーフィッシングではソフトワームを使ったジグヘッドや直リグ、テキサスリグでズル引きや底を叩く釣りが基本となりますが、マズメの時間帯であればハードルアーでも狙えます。

前述のように水深のある沖目のストラクチャー狙いや、潮の速い場所であれば小型のメタルジグを使い、ゴロタ場やテトラ帯など水深のない根の荒いポイントではクランクベイトや小型のミノーが良いでしょう。

いずれにしてもロックフィッシュ狙いということで根掛かりは避けられませんが、マズメ時は浮き気味に狙えるので、根掛かりが軽減できるというメリットもあります。

なお、もう一点、潮汐についてですが、堤防釣りのアコウは潮が大きく動く時間帯が良いのはお伝えしましたが、潮回りや干満の潮位の差はあまり気にしなくて良いかもしれません。

もちろん、大潮や中潮で潮が動く時間帯はベイトフィッシュの動きも増えるので良いとは思いますが、アコウの場合は夏に発生しやすい苦潮時でベイトの動きが鈍る時などでも、逆に活性が上がり良く釣れるという傾向があります。

基本的に、タイドグラフ(潮汐表)などを利用して、朝マズメや夕マズメの時間帯と潮が動くタイミングが重なっている日がベストタイミングで、これを意識した方が釣果も期待できるでしょう。

 

ロックフィッシュゲームで人気のアコウ

ロックフィッシュゲームで人気のアコウ

以上で、キジハタ(アコウ)の特徴と習性の紹介を含めた、釣れる場所、釣れる時期、釣れる時間帯の紹介を終わります。

よくシーズナルパターンという言葉が使われますが、ロックフィッシュの大半は水温が低い時期にベストシーズンを迎えますが、アコウは異なるシーズナルパターンを有するターゲットです。

アコウの魚影が濃い日本海や瀬戸内海で釣果を上げるのは難しくありませんが、太平洋側の都市近郊では非常に釣り難しいターゲットです。

それゆえ他の堤防釣りの釣魚に比べるとボウズになる確率は高いですが、その反面1匹の釣果の価値は高く、そのゲーム性の高さが釣り人を魅了します。

釣果は仕掛けや釣り方、使うエサやルアーにもよるので、一概にここで紹介した内容だけでアコウが釣れる釣れないとは言えませんが、ここで紹介した内容がアコウ釣りの基本的な知識の一端としてお役に立てれば幸いです。

アコウの仕掛け(リグ)や釣り方についても、別途紹介したいと思います。

 

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