海釣りシーズンが開幕する春は穏やかな天気とは裏腹に、意外と風が強く海が荒れる日が多いという特徴もあります。
新しい年度を迎えるとあって、春に堤防釣り(波止釣り)を始める入門者の方も多いのですが、その多くはなかなか思うように釣果を出せなかったのではないでしょうか。
それに較べると、6月、7月、8月の夏の堤防釣りでは、水温の上昇に合わせ多くの魚の活性も十分に上り、全く魚が釣れずにボウズになるということがほとんどない時期です。
6月は梅雨の長雨や、7月と8月の日中は猛暑で水温が上がり過ぎるという難点もありますが、アジ・サバ・イワシといったファミリーフィッシングの小型の青魚なら、終日釣れる釣り場も少なくありません。
また、夏は日の出時間が早く日の入り時間が遅いということで、比較的暑さも和らぐ朝夕のマズメ時も十分に余裕をもって楽しめるというメリットがあります。
更に気候的に夏は夜釣りの人気が最高潮を迎え、大物の魚を狙う釣り人は夜釣りに出掛ける機会が増える時期です。
昼夜問わず楽しめる夏の堤防釣りで釣れる魚の種類は多く、初心者さんにも向いた海釣りシーズンのど真ん中と言える時期です。
ここでは、6月、7月、8月の3ヶ月間の夏の海釣りのうち、身近な堤防や波止に隣接した砂浜などで釣れる魚を紹介します。
夏の堤防釣りで釣れる魚~昼は数釣り、夜は大物の釣果を!!
魚は変温動物であるため、気温の上昇に伴う水温の上昇により活性は上がります。
5月に入っても表層温度は15℃と決して高くはなかった春の海から、夏の暖かな海環境へ変わっていくことで、魚の動きが活発になりエサを捕食する行動も積極性を伴い、エサはもちろんのこと、ベイトとなる小魚が増えることでルアーに対する反応も良くなります。
暖かくなって動きが活発になるのは、何も魚に限ったことではなく、我々釣り人も同じことでしょう。
ただ、一口に夏の釣りといっても、先にお伝えしたように、梅雨時期の6月と初夏の7月、そしての猛暑日も多い夏真っ盛りの8月では各々海の状況もすいぶんと変わります。
水温が上がり過ぎると、魚は水温の安定する水深のある深場や、潮の流れの速いポイントへ移ってしまい、こうなると同じ魚種でも大物ほど釣れにくくなります。
それでも、夏は低水温の冬場とは違い、エサとなるプランクトンや小魚は多く、またエサ取り扱いされるような外道も増えるため、前述のようにまったく釣れないというようなことはなくなります。
春以降の水温の上昇に伴い、多くの魚種が沖の深場から浅場へ戻ってきているため、夏は釣れる魚種や魚の絶対数が多いのです。
その代表としては、豆アジや豆サバ、小イワシ、ピンギス、新子のマダコなど、産卵から1年を経過しない小物の対象魚が数釣れます。
豆サバはあまり好まれない外道ですが、その他の小魚はいずれも数釣って楽しい、食べて美味しい大人気のターゲットです。
このように、夏の水温上昇によって堤防釣りでは釣れる魚の活性は高く、数釣りが楽しめる時期だということができます。
夏の堤防釣りで釣れるおすすめの魚を紹介する前に、まずは夏時期の水温変化について知っておきましょう。
夏の海の水温変化
管理人自身は関西にある大阪在住なので、大阪湾を一例として紹介します。
上図は大阪湾のある観測ポイントで得られた温度データのうち、表層付近の海水温と10m深度の海水温がプロットされたものです。
春が終わり梅雨の気配が漂い始める6月初めには、表層で20℃、10m深度で18℃という水温を記録します。
多くの魚種にとっては、捕食活動を伴う適水温は18℃~23℃であり、ちょうど6月頃から水温的には釣りに良い時期が始まるということになります。
ただし、ここで一つ注意事項があって、梅雨の長雨による水温変化や水質の濁り、塩分濃度の変化という環境変化は、多くの魚種にとってはマイナス要因となります。
もちろん、プラスの要因となる魚もいるのですが、この時期はそもそも雨ゆえに釣行そのものに出られないというデメリットもあります。
それゆえ、6月は水温的にはちょうど良い時期なのですが、初心者には少し釣り難しい時期だと言えるでしょう。
その後、7月~8月にかけては連日猛暑となる日も多く、雨も少ないため気温・海水温ともに上昇の一途を辿ります。
表面水温としては8月初旬に最高温度を記録し、10m深度においても9月に入る前には最高温度を記録します。
この時期は水深のない釣場では25℃から場所によっては30℃を記録し、潮の流入の少ない湾奥の釣り場などでは低酸素状態にもなります。
こうなると多くの魚種にとっては生息環境としては好ましくなく、特に日中の活動は大きく抑制されるか、沖の深場へ入ってしまいます。
後ほど紹介しますが、適水温の幅が狭い魚ほど、急激な温度変化を好まないというのもあり、釣果の中心はやはり朝夕のマズメ時ということになります。
また、夏は水温が落ち着きやすい夜に大物が狙いやすいというのも、このアタリの水温の変動が大きく関与しています。
ただ前述のように、アジ・サバ・イワシなどの小型の青魚や、この時期に特に狙い目となる魚種、そして五目釣りで狙える小魚などは日中でも釣りやすい時期です。
サブタイトルにあるように、夏の海釣りは昼は数釣りの対象魚を、夜は大物の釣果を、そしてマズメ時はそのどちらの魚種も狙える時期だと認識しておけば良いでしょう。
それでは、改めて夏の堤防釣りで釣れるおすすめの魚について紹介していきましょう。
【キス】シーズン開幕から本番へ!夏はキスの数釣りシーズン!!
シロギスは海釣りでは非常に人気のある魚ですが、夏の釣りの代表的なターゲットとして認識されています。
実はキスの適水温は14℃~28℃と幅広く、真冬の厳冬期を除けば釣れる時期そのものは比較的長い魚なのですが、やはり数・サイズともに揃ってくるのは6月の梅雨前頃から晩秋の11月頃までとなります。
シーズン序盤の5月から6月の梅雨時期というのは、沖の深場に落ちていたキスが産卵のために浅場へ戻ってくる時期になります。
それゆえこの時期のキスは、砂浜からの投げ釣りはもちろん、水深のある堤防からはチョイ投げで、25cmクラスの大ギスを狙うことが出来ます。
キスの中でもメインターゲットはシロギスとなりますが、シロギスの産卵は3ヶ月ほど続くため、比較的長く良い期間が続きます。
キスは掛け上がりやヨブ(海底にできた小規模な凹み)などを好み、海底に変化のある場所を狙うのが基本となりますが、この時期は藻場が存在する沈み根近辺を積極的に攻めてみるのも良いでしょう。
キスは砂浜や粒の小さな砂利浜に好んで生息していますが、塩分濃度が低い海域を嫌うため、梅雨時期の長雨の後は少し水深のあるポイントを狙う方が好釣果に結び付きやすいと言えます。
7月に入るとシーズン本番となり、良型は出にくくなりピンギス(リリースの対象となるような小型サイズのシロギス)が多くなりますが、その代りに爆釣も期待できるようになります。
ポイントは砂浜からでも20mや30mといったチョイ投げで釣れるケースが増えるため、本格的な投げ釣りタックルを所有していなくても、十分にキス釣りが満喫できます。
足元から砂地になっているような堤防の場合は、すぐ目の前で釣れるといったケースも珍しくありません。
ただし、水温が上がってくると小型のキスとともにメゴチやチャリコ、クサフグといったエサ取りも増えてくるため、うまくエサ取りを躱しながらキスの群れを見つけて数を稼ぐといった釣りになります。
さらに進んで8月になると、ピンギスは少しサイズアップしますが、今度は少し釣果が落ちる傾向が強くなります。
7月はサーフ(砂浜)であれば釣り場を問わずキスの釣果が得られる好シーズンですが、前述のように8月は浅場の水温上昇が大きく、キスも少し沖目に居場所を変えるためです。
またある程度水深のある護岸であっても、潮止まりでは苦潮が発生しやすくなり塩分濃度の上昇と酸素量が減ることが悪影響を及ぼします。
こうなると、手軽にライトタックルのチョイ投げで釣るというのが難しくなり、遠投がきく本格的な投げ釣りスタイルの方が釣果は上がりやすくなります。
8月は適水温が28℃までと暑さに強いキスにとって好シーズンであることは変わりませんが、ポイントは沖目と考え、本格的な投げ釣り仕掛けで遠投し、動かしながらキスの群れの居場所を探れる釣りが有効です。
いずれにしても夏の時期のキスは群れが大きいので、2本針仕掛けのライトタックルでチョイ投げを楽しむも良し、枝針が5本以上の多針仕掛けで数珠つなぎを狙ってみるのも良しと、キス釣りを大いに楽しめるシーズンです。
シロギスの釣れる時期や時間帯については、別途詳しく纏めていますので、宜しければコチラをどうぞ
【マダコ】夏はタコの新子の数釣りが面白い
夏の暑さが盛りを迎えるこの時期に、本番を迎える代表的なターゲットにマダコがいます。
もともとタコジグやタコエギなどの擬似餌で釣ることが主流のタコ釣りですが、近年オクトパッシングと呼ばれるタコをルアーで釣る方法が拡がり、多くのアングラーの間で大人気の夏の釣りの一つに定着しました。
マダコの適水温は15℃~25℃であり、実は水温の低い冬でも釣果を得るのが可能なターゲットです。
ただ低水温期にはキロオーバーの良型が釣れる反面、接岸している数そのものは少なく、ベテランさん向けのターゲットというのが正直なところです。
寿命がおよそ1年しかないタコは、梅雨前から秋口頃までに産卵期を迎えるため、ちょうど夏の水温の上昇に合わせて本格的に接岸します。
早ければ5月後半位から接岸し、6月にはシーズンが始まりますが、シーズン序盤はキロクラスのタコが釣りやすい時期です。
ただし、タコは真水を嫌う生き物なので、雨の多い6月の梅雨時期は釣果が安定しないことが多くなります。
そう言う意味では、オクトパッシングの本番は梅雨明けの7月に入る頃と言え、100g~200g程度の新子のタコの釣果がメインとなりますが、数釣りが楽しめます。
オクトパッシングの初心者でも、比較的簡単に釣果を得ることができるので、6月後半から7月は積極的に釣行にでることをお勧めします。
前述のように寿命がおよそ一年と言われるタコですが、それ故にその成長は非常に早く、7月後半から8月に掛けては一気に300g~500g程度まで成長してきます。
8月に入ると釣れる数は日増しに減っていきますが、夏真っ盛りの8月前半まではまずまず型の良いタコ釣りのピークを迎えると言える時期です。
朝夕のマズメ時はもちろん、日中でも夜間でも時間帯を問わずに釣れるのも、タコ釣りの大きなメリットと言えます。
夏の日中の人気の波止は、厳しい暑さだけでなく休日は混雑具合も半端ないので、手軽なタックル片手にナイトフィッシングでタコを狙いに出るのも良いでしょう。
なお、タコはその年によって好調、不調が強いターゲットです。
接岸数の多い年、少ない年がありますが、当たり年と言われる年には、堤防釣りでも二桁釣果の大漁も期待できます。
その反面、接岸の少ない年は、粘っても全くダメということも珍しくないので、諦めも肝心と言えるターゲットだと考えておきましょう。
もう一点、漁業権が設定されている海域では、タコはほぼ漁獲不可の対象として挙げられており、狙って捕獲すると犯罪になってしまいます。
知らなかったでは済まされないルールなので、タコ釣り釣行に出る釣り場については、事前に調べてから赴くようにしましょう。
タコ(マダコ)については別途詳しく纏めていますので、宜しければコチラをどうぞ
【アジ・サバ・イワシ】豆アジ・豆サバ・小イワシでも、釣れれば堤防は大賑わい!
初夏から秋の堤防釣りでは、アジ、サバ、イワシが釣れるサビキ釣りや投げサビキ釣りが、最も多くの釣り人が楽しむ釣り方です。
その中でも人気No.1のターゲットは、誰もが知っている大衆魚のアジで、釣って良し食べて良しのアジが釣れる時期の釣り場は大賑わいとなります。
アジは場所によっては通年釣れる魚で、夜釣りのエサ釣りやアジングであれば、春時期にも30cmクラスの大型の釣果も期待できます。
ただ、釣り業界全体で考えれば、入門者も初心者も釣り人皆が手軽にたくさん釣れる初夏から秋口までがメインシーズンだと言えるでしょう。
6月に釣れるアジは新子の豆アジが中心となり、小さいながらもたくさん釣って楽しむ釣りが中心となります。
これと合わせて、子サバやカタクチイワシ、釣り場によってはサッパやコノシロなどが合わせて釣れるというのが典型的なパターンです。
6月の初旬ではアジもまだシーズン序盤ということで、釣果の中心は朝夕のマズメ時となり、日中の釣果は一部のポイントにかたまるケースが多いでしょう。
あるポイントでは全く釣れていなくても、実は少し離れたポイントでは爆釣しているというようなケースも珍しくありません。
これが中旬から下旬になってくると接岸数が増え、釣果も本格化してくるため、ポイントに限らず終日釣れ続くというケースも出てきます。
アジやイワシが釣れている場所には釣り人も多く集まり、撒き餌の多さがターゲットを更に足止めし、永遠と釣果が続くというフィーバーのような時合が続きます。
7月、そして8月に入っても、豆アジ、豆サバ、小イワシの釣果は引き続き良好です。
各々6月に比べるとサイズアップしており、群れも大きくなることから大人も子供もたくさん釣って楽しめる鉄板の釣りとなります。
豆アジが接岸し始める6月から波止釣りのファミリーフィッシングは開幕しますが、雨模様の梅雨時期は釣行機会も減ることから、本格的なシーズンは7月からと言っても良いかもしれません。
7月、8月はアジ同様、サバやイワシもサイズは期待できないことが多いので、特に子サバの釣果の良し悪しは釣り人さん次第です。
ただし、釣り場によっては良型のマイワシやウルメイワシが回ってきたり、夜に良型のマサバが釣れる場所などもあります。
とにかく夏は釣れる時間帯は朝夕のマズメ時に限らず、日中も含めて終日釣果が続く釣り場も珍しくないので、お子様連れのファミリーフィッシングでは十分に釣りを楽しめる良い釣り環境だと言えるでしょう。
なお、夏場に豆アジをジグ単ワームやジグサビキを使ったルアーフィッシングで狙う方もいますが、これはおすすめしません。
釣れることは釣れますが、獲物が獲物なのでゲーム性も低く、釣果も伸びないので、アジングをするならもう少し良型が狙える秋以降に行いましょう。
アジについては別途詳しく纏めていますので、宜しければコチラをどうぞ
【クロダイ(チヌ)】夏は落とし込みと夜釣りで大物を狙えるシーズン
クロダイ(チヌ)は堤防釣りでは周年釣れるターゲットの代表格です。
もちろん、6月、7月、8月の梅雨から真夏にかけても問題なく釣果は期待できます。
3月後半から4月のクロダイは産卵に伴う乗っ込みがあり、年無しと呼ばれる大物の釣果が期待できる時期でしたが、5月に入れば釣果は一旦落ち着く感じでした。
そして6月を迎え十分に水温が上がると、クロダイは徐々に潮の流れの緩い港湾内にも数多く入り、非常に活性は高くなります。
汽水を好むクロダイは梅雨時期の雨にも強く、むしろ濁りの入った海中環境はクロダイの活性を更に上げるのに寄与します。
長雨の後で少し濁りの残った釣り場は、クロダイが最も釣りやすいタイミングだと言えます。
梅雨が終わり7月に入ってもクロダイの活性は落ちることはありませんが、これ以降はエサ取りの活性も上がる時期で、いかにエサ取りを躱しながらクロダイを狙うかというテクニックが要求される時期です。
一般的なフカセ釣りは難しくなり、代わってダンゴを使う紀州釣りや、エサ取りに強い貝やカニを使う落とし込み釣りなどが本番を迎えます。
この傾向は8月になっても続き、紀州釣り師や落とし込み釣り師にとっては、夏こそがチヌ釣りシーズン本番だと言えます。
また、ルアーマンにとってもラバージグを使ったチニングはもちろん、朝夕のマズメ時には活性の高いチヌをトップウォータープラグでも狙えるベストシーズンと言えます。
クロダイは日中、夜間を問わずに釣れる対象魚です。
夜釣りでのチヌは、電気ウキ釣りの流し釣りや、ブッコミ釣り、ラバージグを使ったチニングが主な釣り方となりますが、日中に比べると大物のヒット率が高くなります。
夏場のチヌ釣りは、釣り方に合わせて数釣りも可能、また、大物狙いも可能なハイシーズンだと言って良いでしょう。
クロダイの釣れる時期や時間帯については、別途詳しく纏めていますので、宜しければコチラをどうぞ
【シーバス(スズキ)】バチ抜け終わりフィールド散るも釣果は期待できる
シーバス(スズキ)もまた一年を通して釣果が得られるターゲットです。
イソメやゴカイ類のバチ抜けの時期は5月でほぼ終わり、いわゆるバチパターンと呼ばれるシーズナルパターンが効かなくなる時期です。
ベイトとなる小魚はたくさんいるので、シーバスの活性は高いのですが、夏はシーバスのいるフィールドを絞るのが難しい時期となります。
すなわち、夏の水温上昇に合わせ、シーバスが河川に入っていく傾向がより強くなるためです。
もちろん、すべてが川を遡上する訳ではなく、港湾内や河口に残るものも多くいるので、夏序盤は釣果が上がらないということはありません。
特に、6月の梅雨時期は高水温も避けられ、マイクロベイトも多く、シーバスの活性も高いのでエサ釣りでは2桁釣果も可能な時期です。
ルアーマンにとっても、回遊頻度が上がるだけでなく、ストラクチャのあるフィールドにも居着きやすくなるため、釣果は十分に期待できるでしょう。
ただし、ルアーにしろエサ釣りにしろ夏のサイズは50cm程度のハネクラスが主流で、もう一回り小さいセイゴクラスも多くなるので、ランカー狙いのアングラーにとっては物足りないかもしれません。
また、梅雨が終わって7月に入ると、前述のように、河口、運河、港湾部、河川とフィールドが散ることで、少し釣り難しくなってきます。
エビ撒き釣りなどのエサ釣りでは、引き続き日中でも港湾内で好釣果が期待できますが、ルアーマンにとってはフィールドが絞りにくくなります。
ナイトフィッシングが中心となるシーバスフィッシングでは、夜光虫の発生もマイナスの要素として働きます。
特に港湾部で温度が上がり過ぎる日が増えると、都市部では赤潮(夜には夜光虫)の発生頻度も増え、最悪の場合は青潮も発生することから、こうなると釣果は期待できません。
同様の理由で8月になると、シーバスは更に釣り難しくなります。
1箇所に居着く時間は短くなり、水温の安定を求めて頻繁に移動するようになるので、フィールドを掴むことが更に重要になります。
1箇所で粘っても釣果は出ないため、実績のあるポイントを積極的にランガンする必要も出てきます。
ルアー、エサ釣り問わずに、初心者には厳しい時期で、ある程度経験を積んだアングラーでないと釣果を上げるのは難しいかもしれません。
シーバスの釣れる時期や時間帯については、別途詳しく纏めていますので、宜しければコチラをどうぞ
【ツバス(ハマチ)】ライトショアジギングで人気の青物が数釣り可能な時期
初夏にアジやイワシなどが湾内に入ってくると、それを追って必然的に大型の青物も接岸しますが、その代表がハマチやサゴシです。
ハマチと言っても、シーズン序盤の6月に釣れるサイズは30cm程度のツバスがほとんどで、釣り物としてはまだまだ満足のいく獲物ではありません。
春以降の沖堤防ではメジロも狙える時期ですが、オカッパリでは大型の青物は秋以降が本番なので仕方がありません。
しかしながら、近年では初心者でもライトショアジギングから釣り入門などというケースも珍しくなく、そうなればツバスも立派な釣果だと言えます。
7月になってもサイズは大きく変わりませんが、ベイトが多いこともあり非常に活性が高く荒食いするので、日々サイズアップしていきます。
最も数釣りが可能な時期なので、初心者さんの場合は豆アジを使った泳がせ釣り(ノマセ釣り)や、ルアーマンなら小型のメタルジグで狙えば、釣果を得ることは難しくはないでしょう。
そして、さらに進んで8月に入ると一回りサイズアップし40cmクラス以上のハマチも混じり始めます。
その反面、釣れる数そのものは少なくなり、船釣りを除けば2桁釣果を出せる釣り場は沖提などに限られると言って良いでしょう。
それでも、夏はハマチの活性が高い状況が続きますので、初心者でも比較的釣果を得やすい時期だと言えるでしょう。
ハマチ(ツバス)は朝夕のマズメ時の中では、どちらかといえば朝方に狙う方が釣果が上がりやすい魚です。
夏の暑さがキツイこの時期は、前述のように完全に日が昇るとベイトとなるアジやイワシなどの小魚も一旦沖目に出てしまうことが多くなります。
ベイトが居着きやすい潮の流れと水深のある釣り場なら日中でも釣果は期待できますが、湾奥などの場合は日の出前後の朝マズメのタイミングを中心に釣りに出るようにしましょう。
ハマチの釣れる時期や時間帯については、別途詳しく纏めていますので、宜しければコチラをどうぞ
【メジナ】木っ端ながらも数釣りが楽しい梅雨グレ
磯釣りの対象魚として玄人さんが楽しむ人気のメジナ(グレ)ですが、波止のフカセ釣りでも普通に釣ることが出来ます。
意外と手軽に釣って楽しめるターゲットなのですが、堤防で釣れるグレは良くても30cmまでで、ほとんどは木っ端グレと呼ばれる20cm程度の個体になります。
そしてもう一点大きな違いは、磯と違って身近な堤防釣で釣れるグレは、春の終わりから初夏に良く釣れるという点です。
グレは口太と尾長の2種類に分かれますが、一般的な堤防で釣れるメジナと呼ばれているのは口太グレにあたります。
口太の産卵期は5月頃となっており、どのような魚でも産卵後は釣果が落ちる傾向がありますが、前述のように堤防釣りで釣れるグレは木っ端グレなので、産卵の影響は少ないと言えます。
堤防釣りで釣れるグレは、特に6月の梅雨時期に活性が高くなる傾向があり、この時期に釣れるグレは梅雨グレと呼ばれます。
梅雨時期は最も数釣りが期待でき、先に紹介した上物のチヌと合わせてフカセ釣りの人気のターゲットとなります。
その後、7月、8月とグレは狙えるのですが、水温が上がるに連れてエサ取りが増えてくることもあり、数釣りは難しくなります。
専門で狙うのであれば、アオサやフナムシをエサにするなど、ちょっとした工夫も必要になりますが、釣れると良いサイズという特長もあります。
木っ端グレは食すには不向きですが、小さくてもパワーがあるので釣って楽しめる対象魚と言えます。
グレは基本は日中のターゲットとなりますが、夜釣りでも釣果が出る魚なので、梅雨時期から初夏にかけては面白いターゲットだと言えます。
【アナゴ】夏の夜はちょい投げで簡単に釣れるアナゴ
夏は夜釣りということで、夜釣りで最も簡単に釣れるアナゴを紹介しておきます。
アナゴはよく夏の夜釣りのターゲットして扱われますが、実は真冬の厳冬期を除けば、ほぼ周年釣れるターゲットです。
しかしながら、やはり数釣りの本番は夏ということで、6月くらいになると夜釣りで比較的釣果を得やすいターゲットになってきます。
アナゴについては、ちょうど陽が落ちる時間帯からチョイ投げ釣りやブッコミ釣りで普通に釣れるので、特にアレコレと紹介するような内容がありません。
7月、8月も特に変わりなく釣れ、潮が動く時間帯と日暮れのタイミングが合えば、二桁釣果になることも珍しくありません。
時期的なことではそれほど記載することがないので、少しだけ釣り方のコツを紹介しておきます。
アナゴは回遊している魚なので、回遊することが多い敷石と砂地の変わり目、砂泥の掛け上がり、イケスが浮かべられているようなところがポイントになります。
回遊してきた時にエサの存在に気付かせるように、仕掛けにケミホタルを付けたり、アオイソメだけでなく、匂いの強いサンマやサバの切り身を使うなど、集魚のことも考えながら釣れば釣果が伸びます。
夜釣りの中では最もボウズが少ないターゲットなので、夏の日中の釣りは暑さが・・・という方は、夜釣りで手軽に釣れるアナゴを狙いに行ってはいかがでしょうか。
【アコウ(キジハタ)】幻の魚も今は昔 意外と普通に釣れる夏のアコウ
アコウは適水温の範囲が26℃程度までと高く、ロックフィッシュの中では珍しい夏にベストシーズンを迎えるターゲットです。
6月の梅雨時期の釣果はそれほど期待できませんが、7月、8月と雨が降らず高水温となり、多くの魚が深場へ移動するのとは逆に接岸しやすくなる魚です。
極端に言えば、カンカン照りで苦潮が発生するような塩分濃度の上がった海で、普通に釣れるのがアコウという魚です。
アコウは一時期、幻の魚とまで言われるほど漁獲量が減ったハタ科の高級魚です。
しかしながら、管理人の住む大阪府もそうですが、アコウの稚魚を積極的に放流していることもあり、一部の地域では比較的釣りやすいターゲットになりました。
アコウが釣れる時期は、アコウ狙いの釣り人そのものが少ない時期なので、あまり釣果情報には上がらない対象魚ですが、もはや幻の魚と言われたのは遠い昔の話となりました。
専門に狙わないと釣るのが難しいターゲットですが、日没からの半夜釣りがメインになる魚なので、夏は夜釣りで大物をと考えている方は、アコウもターゲットのひとつに上げてみてはいかがでしょうか。
アコウの釣れる時期や時間帯については、別途詳しく纏めていますので、宜しければコチラをどうぞ
夏の堤防釣りのターゲット【その他】
その他にも、夏の堤防釣りで釣れる対象魚はたくさんいます。
上記では夏シーズン全般を通して狙える代表的な魚を紹介しましたが、初夏まで釣れる魚や、晩夏からシーズンインを迎える魚などもいます。
本命として狙える魚はたくさんいるので、以下にて簡単に紹介しておきましょう。
その他の夏に釣れる魚
【カサゴ】
カサゴ(ガシラ)は一年中いつでも釣れるターゲットで、カサゴ狙いで釣りに出るのであれば、最もボウズが少ない対象魚でもあります。夏場の日中はリリースサイズの釣果が多く、お土産にするには忍びないサイズなので、良型を狙うのであれば夜釣りがお勧めです。
カサゴの釣れる時期や時間帯については、別途詳しく纏めていますので、宜しければコチラをどうぞ
【マゴチ】
マゴチは玄人色が強いターゲットで、通常の波止では狙い辛く外洋向きのサーフポイントでのターゲットなのでコチラでの紹介としました。マゴチは梅雨時期から夏場が旬の魚で、6月と7月は釣果が大いに期待できるシーズンです。8月になると産卵を終えた個体が増えるので、釣果は少し下がると考えておきましょう。
【アイゴ】
アイゴは夏に大型が狙えるターゲットで、非常に引きが強く釣る楽しみが大きい魚です。ただ、非常に強い毒の棘を持つ魚ということもあり、専門に狙う釣り人は少ないです。また、食べても非常に美味しい魚なのですが、内臓を傷付けると強烈な磯臭さが身に沁み込むという難点もあり、非常に扱い辛い魚なので、初心者さんは避けた方が良いでしょう。
【サゴシ】
堤防釣りではハマチとワンセットで扱われる魚で、サゴシを狙うと意識しているアングラーはほとんどいません。夏はハマチのサイズがまだツバスクラスであっても、サゴシの方はもうワンサイズ大きいことが多く、釣れて楽しめるターゲットと言えるでしょう。
【キュウセン】
キュウセンベラは夏に釣期と旬が重なる珍しい対象魚です。五目ウキ釣りやちょい投げなどで外道として釣ることはありますが、専門に狙う釣り人はほとんどいないので、夏の対象魚ですがサブでの紹介となりました。
【ゴンズイ】
夏の夜釣りをしていて、決して釣れて欲しくないターゲットにゴンズイがいます。ゴンズイは背中に非常に強い毒の棘があるので、釣れた際には最新の注意が必要です。実は食べると美味しいということもあり、一部の釣り人は持ち帰る人もいるようですが、初心者さんはマネしないように気を付けましょう。
アイゴもそうですが、夏の海釣りでは毒を持つ魚も釣れやすいので、初心者さんは最低限の知識は身に付けておきましょう
【メバル】
メバルは夏の対象魚ではありませんが、6月の梅雨時期についていえば梅雨メバルと言われ、良型が狙える好タイミングになります。梅雨が終わって水温が更に上がると、サッと釣れなくなるので、コチラでの紹介となりました。
メバルの釣れる時期や時間帯については、別途詳しく纏めていますので、宜しければコチラをどうぞ
【アオリイカ】
アオリイカもメバルと同様で、梅雨時期頃までは春イカの時期が続き、キロアップの大型を狙うことが出来ます。しかしながら、こちらも7月に入ると親イカも姿を消し、初秋の新子の秋イカシーズンを迎えるまではお休みとなるので、コチラでの紹介となりました。
アオリイカの釣れる時期や時間帯については、別途詳しく纏めていますので、宜しければコチラをどうぞ
【タチウオ】
タチウオは秋の本格シーズンに向けて8月下旬ころから接岸し始めます。これが釣れ始めると、アジを狙った釣り人とタチウオを狙った釣り人で夕マズメ時の波止はごった返します。接岸し始めは指2.5本程度の小型が中心ですが、数釣れるので非常に人気の高い対象魚です。
太刀魚の釣れる時期や時間帯については、別途詳しく纏めていますので、宜しければコチラをどうぞ
【ハゼ】
河口が中心の釣りになりますが、8月下旬ごろからハゼのシーズンが始まり、春に生まれた新子が成長して数釣れる時期に入ります。夏の終わりには、まれに越冬した2年物の20cmクラスの大型のハゼが釣れることもありますが、秋がメインの対象魚なのでここでの紹介となりました。
以上で夏の堤防釣りで釣れる魚についての紹介を終わります。
すでに紹介しましたが、夏シーズン序盤の6月は梅雨の長雨もあり、海釣りの時期としては悪くないのですが初心者向きとは言えません。
夏はファミリーフィッシングをはじめ入門者さんや初心者さんも多い時期ですが、梅雨明けくらいを目途に釣行に出た方が、釣り環境もよく釣果も伴いやすいので良いかもしれません。
ただし、記事中で紹介しましたが、夏は毒を持つ魚の活性も上がる時期なので、最低限の知識は身に付けておきましょう。
また、夜釣りに出ることが多い時期になりますが、夜釣りは視界が悪いのはもちろん、思わぬ危険がたくさん潜んでいます。
釣りに不慣れな方は足場が良く、他の釣り人もたくさんいるような釣り場に出掛けるとともに、細心の注意を払って釣りをお楽しみ下さい。
夏の釣り物とおすすめの釣り方について、6月、7月、8月と個別に詳細をご覧になる方はコチラもどうぞ
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